最大の功績とは――。ボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者だった村田諒太(37=帝拳)が28日に現役引退を表明した。

 2012年ロンドン五輪で金メダルに輝き、17年10月にWBA世界ミドル級王者に就いた。昨年4月のIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との2団体統一戦で敗れたのがラストファイトとなった。

 この日の引退会見で、村田は「ロングショット(長い目)で見たボクシング人生に悔いというものはないです。恩師ができて、本当の仲間ができて、感謝する方々ができて。そう思うとボクシングは一つのツールだったのかな」と晴れやかな表情だった。

 プロアマ両方で頂点を極めたスターとして輝かしい結果を残したが、それだけではない。現在のボクシング世界戦がネット配信が中心となっているのも、村田のゴロフキン戦がアマゾンプライムビデオで配信されたのが始まりだ。帝拳ジムの本田明彦会長は「それが成功だったから、他が始めたわけですよ。これだけの試合ならこれだけの数字というのが分かって、他がついてきているわけですよね。配信は完全に数字がでますから。そういう意味でもファイトマネーを上げた功績は大きいですよね」と指摘。実際、引退が濃厚だったゴロフキン戦後も、海外から巨額の試合オファーが多く届いていた。

 村田自身は「一発目としてやって、それなりの好評を得られたのは素直にうれしいですけど、僕がいなくても、そんな流れは、いつか来ると思いますし。スターといっても、半分はつくり上げたものじゃないですか。僕もいわばつくり上げられているところもあると思うので、代役はいくらでもいますよ」と謙遜したが、多くの面でボクシング界の未来を切り開いたのは紛れもない事実だ。

 今後は「可能性としてはいろいろ探っていきたい」とボクシング界にとどまらない活動に意欲を見せており、セカンドキャリアにも注目が集まりそうだ。