〝大関争奪戦〟の行方は――。大相撲春場所千秋楽(26日、大阪府立体育会館)、新関脇霧馬山(26=陸奥)が小結大栄翔(29=追手風)に本割と決定戦で連勝し、大逆転で初優勝を達成。次の夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)では大関取りに挑む。一方で、今場所は三役4人が2桁白星を挙げるなど、大関争いは混戦模様。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)は霧馬山が「半歩リード」としながらも、他の役力士にも「全員にチャンスがある」と予測した。
霧馬山が大逆転で初優勝を果たした。本割では1差で単独首位の大栄翔を突き落とし、決定戦では再び突き落として賜杯をつかんだ。モンゴルの遊牧民出身の霧馬山は入門から8年目で悲願を実現し「最高でした。相撲部屋に入った時の最初の夢がかなった」と感激。来場所での大関取りへ向けて「15日間、一日一番。しっかり頑張ります」と意気込んだ。
その霧馬山について、秀ノ山親方は「以前に比べて体重が増え、圧力負けしなくなったことが土俵際の粘りにもつながっている。前みつを取ったり食いつく相撲になれば、相手に力を出させない。攻め急がず、辛抱してねちっこく相撲が取れることも強み。地力がついてきているし、十分に大関になれる力がある」と太鼓判を押した。
今場所は横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)が初日から休場し、綱取りで注目を集めた大関貴景勝(常盤山)は左ヒザを痛めて途中休場。昭和以降では初めて横綱大関が不在となる一方で、その他の役力士の奮闘が目立った。三役7人(関脇3人、小結4人)のうち、4人が2桁白星をマーク。霧馬山と大栄翔は12勝、小結若元春(荒汐)は11勝、関脇豊昇龍(立浪)は10勝を挙げている。
この中では唯一、霧馬山は三役での2場所連続2桁勝利で大関取りの足場固めに成功。ただ、他の三役力士にもチャンスはある。起点となる場所が10勝未満や平幕でも、その後に好成績で優勝すれば大関に昇進した例があるからだ。最近では、正代(時津風)が8勝、御嶽海(出羽海)が9勝を起点に11勝→13勝Vで大関昇進を果たしている。
秀ノ山親方は「互いに切磋琢磨して、そこから誰が抜け出すかの勝負。霧馬山は半歩リードしているというだけで、力に大きな差はない。霧馬山を含めて、それぞれに個性や強みがある。大栄翔なら突き押し、若元春なら左四つ、豊昇龍は臨機応変な対応力。苦手をなくして、自分の良さを伸ばせば、全員にチャンスがあると思う」と予測した。
大関争奪戦で先頭を走る霧馬山が、夏場所で地位をつかむのか。それとも、他の力士が逆転で大関の座を奪取するのか。あるいはダブル昇進や、まさかのトリプル昇進となるのか…。熱い戦いから目が離せない。












