フィギュアスケートの昨年の世界女王、坂本花織(22=シスメックス)が周囲も驚く勝負強さを発揮した。

 22日に開幕した世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)の女子ショートプログラム(SP)では、今季世界最高となる79・24点をマーク。堂々の首位発進に「今季一番いい演技ができた。とりあえず全部できて良かった。ホッとした」と安堵の表情を浮かべた。

 今大会は新型コロナウイルスの規制が緩和され、声出しが解禁となった。「4年前のさいたまもこういう感じだったなと思い出した。最初は(声出し応援が)久々過ぎて舞い上がって緊張した。6分間(練習)のときは危なかった」というが、本番ではきっちり修正。自己ベスト(80・32点)には惜しくも届かなかったものの、安定した演技を披露した。

 いかなる場面でも自分の力を出し切るのは、一流選手の証しだ。あるフィギュア関係者は「大事な大会の6分間練習で『大丈夫かな?』と見ていて思うことが何回もあるけど、何だかんだ本番では合わせてくる。体に染み込むまで練習してきたからこそなのかな。あの精神力は本当にすごいと思う」と、重圧に負けないここ一番の強さに目を丸くした。

 4年前に同会場で実施された世界選手権は、フリーで失速して5位。リベンジに燃える坂本は「成長した部分もあさって(24日)のフリーでも見せられるように頑張りたい」。悪い記憶に打ち勝ち、最高の記憶を上書き保存する。