ガーシー劇場はまだ終わっていない。参院本会議での陳謝に応じる意向を示していたNHK党のガーシー(東谷義和)参院議員(51)が7日、滞在先のトルコで、8日の本会議には出席しないと表明した。懲罰を拒否した形となり、除名が秒読み段階となってきたが、本人はあくまで今月中に帰国するとしていて、混乱必至の情勢だ。

「帰国するかどうかギリギリまで判断したい」と話していたガーシーは、5日に滞在先のドバイから大地震に見舞われたトルコ入り。最も被害が大きい南東部のハタイ県を訪れ、崩落した建物やアスベストが舞う街中から惨状を報告した。

「オレが除名されるとかどうでもいいからみんなで1人1000円でもいいから寄付しようや」と復興を呼びかける一方、最後までチャーター便での帰国を示唆し、最終決定は前日となった。

 俳優の綾野剛らから名誉毀損などで刑事告訴されている件が最後までネックになったといい、「不逮捕特権があるから大丈夫というが、パスポート停止命令は逮捕状がなくてもできる。可能性があることに対し、いま帰国することはありえない」と警察当局への不信感が消えないとして、このタイミングでの帰国を見送った。

 議員としては崖っぷちに追い込まれる。「議場での陳謝」の懲罰に一度は応じると返答していただけにドタキャンは通用しない。それでもガーシーは議院運営委員会や国会議員宛てに陳謝文を読み上げて、10秒近くも頭を下げる動画を製作した。

「この若輩者にもう一度だけチャンスを、猶予をいただければと思います。何卒よろしくお願いします」と殊勝に話し、こわもてキャラとはかけ離れた、らしくない姿を見せた。

 再び懲罰委員会に諮られることになるが、今度は次に重い処分である最大30日間の登院停止ではなく、最も重い除名の処分を軸に進められることになる。ただ、陳謝処分が決定してから、懲罰のあり方を検討すべきとの声も上がっている。

 公明党の石井啓一幹事長が「登院停止と除名の間に幅があり過ぎる」と発言し、現在4つある懲罰に新たな処分の創設を求めている。

 また、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏は「除名はやり過ぎ」との論陣を張れば、山本太郎代表率いるれいわ新選組は「多数決で排除する行為には最大限の慎重さを求める」と陳謝の懲罰を決める際の採決を棄権しており、除名の採決が行われるとしても再び棄権すると表明している。

 一方で、立憲民主党や国民民主党などは除名ありきで、自民党幹部からも「除名やむなし」の声が出ている。数の力で除名を前提とした手続きが進められていく中で、ガーシーが帰国すれば、混乱するのは必至だ。

「もう一度陳謝しろというのであれば、もちろん陳謝の方をさせていただく」と泣きを入れたガーシーに対し、バッジをはく奪することができるのか――。除名処分は1951年以来で、ガーシー劇場は最終局面を迎えることになる。