「ルフィ」などと名乗り広域強盗事件を指示した疑いがあるとして、窃盗容疑で渡辺優樹容疑者(38)ら4容疑者が先日、逮捕され、連日の取り調べを受けている。フィリピンのアジトおよび入管施設ビクタン収容所から、「闇バイト」で実行役を集め、特殊詐欺、さらには強盗まで行っていたとみられる。特殊詐欺は世界中で行われている。ウクライナ侵攻で戦争中のロシアとウクライナでもお互いのカネをだまし取る特殊詐欺合戦が行われている。しかも、だまし取って終わりではないところが恐ろしい。
4容疑者は別々の警察署に留置されている。フィリピン警察から「ビッグボス」と呼ばれ、日本で逮捕後に東京都最大クラスの渋谷署に留置されていることから、警視庁は渡辺容疑者をリーダーと見ているようだ。
フィリピン、タイ、ラオス、インドネシア、マレーシアなど世界中で特殊詐欺グループがアジトを構えているが、ロシアとウクライナでもグループがあり、戦争中だけにお互いの国民を容赦なくだまし合っている。
ウクライナの特殊詐欺犯はロシア人被害者からカネをだまし取り、銀行に火炎瓶を投げ込ませた。ロシアメディア「RIAノーボスチ」が17日までに報じた。
モスクワ警察は8日、ロシア最大手の銀行ズベルバンクのルザ支店に「モロトフ・カクテル(火炎瓶)」を投げ込んだとして、48歳の男を逮捕したと発表した。銀行員が火を消したため、火事にはならなかった。
事件は奇妙だ。この火炎瓶男は特殊詐欺の被害者だったのだ。男は「ズベルバンクの代表者」と名乗る人物から、「あなたの口座が銀行員の詐欺師に狙われています。詐欺師があなたの口座を乗っ取って、ローンを組もうとしています。それを防ぐ最善の方法は、信頼できる銀行員がいる『安全な口座』に資金を送金することです」と言われ、「安全な口座」の番号を伝えられた。男はそれを信じて送金した。
次に「代表者」は「詐欺師を突き止めるため、自分でローンを組みましょう。『同僚』を紹介しますので、そこからローンを借りて、また『安全な口座』に振り込んでください」と男に指示して、「同僚」がさらに男をだまして振り込ませ、計100万ルーブル(約180万円)をだまし取った。
典型的な特殊詐欺だが、それだけで終わらない。「代表者」は「あなたのお金は安全に保管されています。それでも、詐欺師はまだあなたの口座を乗っ取ろうとしています。詐欺師を止めるためにルザ支店の中に火炎瓶を放り込んでください」と伝え、火炎瓶の作り方を教えた。男はルザ支店に入り、火炎瓶を投げ込んだ。銀行員に化けている詐欺師を燃やし殺せということだろうか。
モスクワ警察は男を逮捕し、スマホを解析。「代表者」がウクライナから指示を出していたことを突き止めたが、逮捕できていない。指示役と実行役どころか、指示役が被害者を放火の実行役にするという、わけの分からない特殊詐欺事件だ。しかも、この1件ではなく、昨年末から3件も特殊詐欺→火炎瓶事件が起きたという。
ズベルバンクの副頭取は「ロシア人への詐欺電話の95%はウクライナからのものです。ウクライナには800~900のロシアを狙った特殊詐欺グループがいるようです」と発表した。さらにプーチン大統領は16日に「ウクライナの詐欺師がロシア人を欺くための新しいスキームを考え出し始めた」と発表したほど。
一方、ウクライナ保安庁は14日に「ロシアの特殊詐欺グループがマリウポリ住民のネットバンクから1億UAH(約3億6700万円)をだまし取った。ロシアの利益のために働いている犯罪グループだ」と発表した。
ロシア政府とつながりがあるとみられるドネツクの犯罪グループがウクライナの銀行のマリウポリ支店に押し入り、顧客データを盗み取った。そして、ドネツクのアジトから約4000人の口座所有者に代わって銀行に連絡し、ネットバンキングでアクセスし、お金を暗号通貨に変換して、盗み取ったという。
ロシアとウクライナの〝詐欺合戦〟は激化の一途をたどっている。












