2024年パリ五輪に向けて大混戦ムードだ。卓球の全日本選手権5日目(27日、東京体育館)、女子シングルス6回戦で前回大会覇者の伊藤美誠(22=スターツ)が横井咲桜(18=四天王寺高)に1―4で敗戦。女王が16強で姿を消す波乱となった。今後は五輪の代表争いも激しさを増してきそうだ。

 パリ五輪の選考ランキングポイントで2位(117・5点)につけていた伊藤だったが、最後まで思うようなプレーができず高校生に金星を献上。今大会はわずか10点の獲得にとどまり「タイミングが合わなかったが、それも実力のうち。悪い展開ではなかったけど、相手にやられっぱなしだった」と唇をかんだ。

 21年の東京五輪でメダル3個を獲得した日本のエースで卓球王国の中国からも「大魔王」と恐れられる伊藤だが、パリ五輪への道のりは決してラクではない。

 女子シングルスは選考ランキングポイントの上位2選手がパリ五輪の代表権を手にする。今大会前の段階では、早田ひな(22=日本生命)が164点でトップに立つ一方で、2位の伊藤以下は接戦だ。3位の平野美宇(22=木下グループ)が109点で続き、5位の芝田沙季(25=ミキハウス)まではわずか15・5点差。五輪3大会メダリストの石川佳純(29=全農)も87点で7位につけており、逆転の可能性は十分にある。

 今大会の優勝者には60点が付与され、2位は50点、3~4位にも40点が加算される。結果次第で今後の代表争いで優位に立てるだけに選手たちも気合十分だ。平野も「パリの枠に入るために優勝しないと。私はまだ2番目に入れていないので」と並々ならぬ思いで大会に臨んでいる。

 さらに3月以降は選考の対象大会で与えられるポイントが2倍となる。ある卓球関係者が「女子は本当に点差が詰まっている。これからポイントが上がるし、今年もまだ始まったばかりなので、まだまだどうなるかわかりませんよ」と話すように、今後の大逆転も十分にありえる。

 パリ五輪まで残り1年半。シ烈な代表権争いは先の読めないスリリングな展開となりそうだ。