【おいしく進化中! インスタント麺ガイド】話題の新商品だけではなく、ジャンルや歴史にも注目するインスタント麺ファン必見の月イチ連載。ご案内はテレビなどでも活躍する愛好家の大山即席斎氏だ。アレンジ術もお見逃しなく。
近年、スーパーのインスタント麺コーナーの端っこに細長いパッケージの商品が並ぶエリアがある。棒ラーメンと呼ばれるラーメンたちだ。
棒ラーメンは主に九州地方の豚骨ラーメンに向いた細くてまっすぐでシャッキリした歯ごたえの麺。なので福岡のマルタイ、熊本の五木、同じく熊本の日の出といった九州のメーカーが多い。
九州以外の地域にもあるが、総じてローカルメーカー中心。製造に手間と時間がかかるため大量生産をする大手メーカーではあまり扱われないのだが、ストレート麺をきちんと再現するならばやはり棒ラーメンになる。麺を箸で持ち上げたときが実に美しい。バリエーションも増えているので、老舗中の老舗をはじめ、いくつか紹介しよう。
マルタイ「即席マルタイラーメン」
粉末スープと調味油で作る透明度の高いつゆは豚骨ではなく、塩味と醬油味の中間風で、ポークとチキンの旨みがよく出ている。コテコテしていないスッキリとした味わい。ちぢれのない細身でつやなしの棒麺はカッチリとした歯ごたえのまっすぐ棒麺で、シコシコ食感がメインながらモチモチ感も。シンプルだからこそ具材で様々なアレンジもできる
五木食品「アベックラーメン」
五木としては古株にあたるが、今は人気の「くまモン」がパッケージについている。丸っこい断面のまっすぐ棒麺は、最初シャッキリとしたかみごたえで時間とともにモチモチ食感になる。液体スープで作る半濁のつゆは、シンプルでおだやかな塩味。
はくばく「甲州あばれほうとう」
麦みそと米みそを使用した濃さ、こってり度とも中庸でまろやかな鍋物風みそ味。麺はドライ時は幅約7ミリ×厚さ1ミリ強の表面に凹凸がある平打ちで、10分間ゆでると幅約10ミリ×厚さ2ミリ近くまで広がり、見た目は「きしめん」のようだ。しかし食感が違い、ガッシリとした強いかみごたえ。
岡本製麺「味覇拉麺」
味覇(ウェイパァー)は中華料理における味の素みたいな位置づけの調味料で、中華食材店に行くとでっかい缶が山積みになっている。それをだしとして使ったスッキリ系の塩味。
【30周年限定 高価格商品のお味は?】
日清食品「日清ラ王 濃香トリュフ醬油」
このところ世間の話題となっている食品の価格高騰とは別にインスタント麺の価格が大きく変動している。長い間、100~200円で買えるのが常識で、高くても250円まで。300円を超えると売れない、とされていたのだが、最近は内容にこだわり抜いた結果、高価格となった商品が多数出ている。
2020年、日清が約400円の「豚ラ王」で市場に問い、まずまずの人気を得た。そして21年、約500円という価格で大いに話題となったのがカップの「一蘭」。この価格であえて具なしというのも衝撃だった。さらに約400円の完全メシは22年のヒット商品番付にも…というように、近頃は300円オーバーの商品がカップ麺の一ジャンルとなっているのだ。
そんな中、新年早々、“ラ王30周年限定”として発売されたこちら、私はコンビニで540円で購入した。
ともに後入れの特製醬油スープ、特製トリュフオイル、特製トリュフペーストで作る色の濃いつゆは、チキンベースでおだやかな醬油の旨みと強いトリュフ風味。トリュフだけでなく、マッシュルームやしいたけの風味も感じられる。表面なめらかな太めの麺は、コシ感があってかみごたえあるモチモチ食感で、あえて具なし。話題になっているので、興味のある方はぜひ。
【今月のアレンジ術=カップ焼きそばの湯切りでスープを作る】
マルちゃんの「やきそば弁当」をご存じだろうか。主に北海道で売られており、中華スープの小袋がついている。湯切りするお湯を使ってスープが作れるのだ。
捨てるはずのお湯で…というのは貧乏くさい工夫に思えるが、旨み成分がたっぷり含まれており、新しいお湯で作るよりもコクのあるスープに仕上がる。どのカップ焼きそばでも同様なので、今回はペヤングの湯で、やきそば弁当の中華スープを流用した。
新しいお湯で作ったものと湯切りの湯で作ったものを飲み比べてみると、前者は澄んでいてシンプルな味わいでツンとした辛み。後者は少し濁っていて、辛みがまろやかになっていて芳醇な味わいとなった。冬は湯切りの湯で作るスープのほうが温まりそうだ。
☆おおやま・そくせきさい インスタント麺愛好家。カップ麺、袋麺、ラーメン、焼そば、うどん、そば、まぜそばから海外製品まで、年間600食の即席麺を食べる。1995年、「TVチャンピオン インスタント麺通選手権」優勝。「マツコの知らない世界」出演。ツイッターは【@Sokuseikisai】。



















