静岡県牧之原市で40代女性が刃物で刺され死亡した事件が17日に発覚。女性の長女(13)が関与した疑いがあるとのニュースに衝撃が走っている。一部報道ではスマートフォンをめぐってトラブルがあったという。同日にはほかにも家族間で起きた事件が相次いでいる。日本はどうなってしまうのか。
16日午後11時50分ごろ、牧之原市の住宅で女性が刺されたと通報があった。首など複数の箇所を刃物のようなもので刺されていたという。女性は搬送先で死亡が確認された。静岡県警は中学生の長女が関与した疑いがあるとして、事情を聴いている。14歳未満のため刑事責任が問われない「触法少年」となる。
13歳という年齢に衝撃が走っているが、17日にはほかにも家族間の事件が報道されている。神奈川県横浜市で同日、36歳の息子が68歳の父親をハンマーで殴り殺そうとして、母親の通報により逮捕された。さらに同日、大分県中津市で40歳の母親が7歳の娘を殺害したとして、大分県警中津署が殺人の疑いで母親を逮捕した。
なぜ、家族間での殺傷事件が連続して起きたのだろうか?「人格形成は3歳まで 最新凶悪犯罪分析に基づく子育ての参考書」(青志社)を著した国際社会病理学者の阿部憲仁氏はこう語る。
「殺人事件の中で、親族による殺人は全体の51%(2018年)と半数を占めています。家族間殺人の主たる原因は、家族を自分の所有物と見なす、また、その成員との間に境界線を設けないといった心理によります」
愛憎のもつれや金銭トラブル、強盗などによる殺人よりも、身内での殺人が多いわけだ。そのような状況で、個人主義が予想以上に進行しているという。
「家では特に会話もせず自分の部屋で過ごし、家族で外食しても会話もなく、それぞれがスマホをいじっているといったように、家庭内であっても、その個人主義が進んでいます。幼いころに築かれるべき親子間の“愛着関係”が十分に形成できていない家庭も増えています」(同)
各人の思いがバラバラになった現代の家族の中にあって、昔からの家族像である「家族だから~はして当然」といった所有意識や個人の境界を無視する習慣だけが残っているという。
阿部氏は「家族間殺傷事件の頻発は、そうした家庭の脆弱性を表す社会病理の症状と言えます。今日の家庭内の人間関係を理解するには、むしろ“家族”という“見えない枠”を取り払い、家族というものをより過剰な圧力のかかりやすい他人同士の集団と考えるべきでしょう。これがまさに“近親憎悪”のメカニズムとも言うことができるのです」と指摘している。
また、新年となり、社会が動き始めたこの時期に多発したのはなぜか。「日本では現在、コロナに対する危機意識は一種の風邪と同レベルのようになりつつあります。それでも、この数年、外出自粛の意識は思いのほか社会に深く浸透しており、どうしても必要な場合を除いては家庭内で過ごす時間が圧倒的に多い。だから、感情の衝突が起きやすい時期でもあるのです」と阿部氏は解説した。
一緒にいる時間が長いと絆が深まりやすいが、一方でトラブルも起きやすいということか。










