〝恩返し〟なるか。大相撲初場所9日目(16日、東京・両国国技館)、元大関の十両朝乃山(28=高砂)が十両北の若(22=八角)を寄り切って無傷の9連勝。優勝争いの単独首位を堅守した。そんな中、部屋の大先輩にあたる元横綱朝青龍(42)が28日に国技館で開かれる宮城野親方(37=元横綱白鵬)の断髪式に出席することが判明。朝乃山と再会する可能性も急浮上している。

 朝乃山が初日から9連勝で十両優勝争いのトップを快走している。今場所で好成績を残せば来場所で幕内復帰の可能性もある中、取組後は「一日一番、しっかり自分の相撲を取り切ることだけを考えて土俵に上がっている」と気持ちを引き締めた。朝乃山は大関だった一昨年5月に新型コロナウイルス感染対策の規則違反が発覚。6場所出場停止処分を経て、今場所は1年ぶりに十両へ返り咲いた。

 その朝乃山が復活する姿をずっと待ち望んできたのが、部屋の兄弟子にあたる元朝青龍だ。一昨年11月の九州場所中には、元横綱が福岡市内の部屋宿舎を訪れて出場停止中の朝乃山を激励。自身のSNSに「朝乃山に勇気、張り手一発」と記し、宿舎前で弟弟子の胸に笑顔で張り手を打ち込む写真を投稿した。そんな中、朝乃山が大先輩と再会を果たす可能性が急浮上している。

 初場所後の28日に宮城野親方の引退相撲が国技館で開催される。断髪式の出席者リストには、現役時代のライバルで数々の名勝負を繰り広げた元朝青龍も名を連ねているという。すでに来日しており、この日はおいの関脇豊昇龍(23)が所属する東京・台東区の立浪部屋を訪問。自身のツイッターに稽古場に立つ豊昇龍の画像を投稿し、ストレッチの方法などについてアドバイスを送ったことなどをつづった。

 元朝青龍に近い関係者は「(朝青龍が)日本に滞在している間に、どこかのタイミングで朝乃山とも顔を合わせることになると思う」と見通しを明かしている。再会が実現すれば、朝乃山にとっても大先輩に関取復帰を直接報告する絶好の機会となる。さらに、今場所で幕内復帰を決めることができれば、どん底の時期に励ましてくれた兄弟子への最高の恩返しとなることは言うまでもない。

 朝乃山は残り6日間へ向けて「勝ち越して終わりじゃない」ときっぱり。自身初の十両優勝と幕内復帰の同時達成へ意欲をにじませた。