大相撲の元大関朝乃山(28=高砂)が初場所(1月8日初日、東京・両国国技館)で十両復帰を果たす。2021年に不祥事により6場所の出場停止で三段目まで番付を落とした。ようやくはい上がってきた実力者の〝軌跡〟とは――。

【朝乃山、再起への道(2)】日本相撲協会が定めるコロナ対策の規則(不要不急の外出)に違反した朝乃山にとって、復帰までの道のりは長く険しいものだった。6場所出場停止などの処分が下され、自身の行動を見つめ直す中、父の靖さんが亡くなり、祖父も他界。師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)によると、半年近く気持ちが上がりづらい状態が続いたという。

 その師匠は「我慢、我慢しか言っていない」と当時を振り返る。朝乃山自身、精神的に苦しい日々だったことは間違いないが、師匠をはじめとする部屋関係者は再び本場所に出場できるように全面的にバックアップ。また、朝乃山富山後援会の青木仁理事長も「応援するのみです」と、地元の水や米を贈るなどサポートを続けた。

 そんな元大関にエールを送り続けたのが、元横綱朝青龍だった。高砂部屋の先輩にあたる大横綱は、朝乃山が不祥事を起こした当初から自身のツイッターで反応。一昨年の九州場所は部屋宿舎を訪問し、朝乃山の胸に笑顔で張り手を打ち込む写真に「朝乃山に勇気、張り手一発」とのメッセージを添えて投稿した。

 さらに、処分が明ける22年7月の名古屋場所を控え「来場所だ! 長かったでしょう!? 2場所停止の処分受けた先輩として、いよいよプッシュしろ 朝乃山君! 待っているぞ」と改めて激励。元朝青龍も現役時代に出場停止処分を受けた経験があり、後輩のことを気にかけている様子だった。

 大関から大きく番付を落とし、他の力士と同様に掃除やちゃんこ番など部屋の雑務にも取り組んできた元大関。名古屋場所は西三段目22枚目で迎えることになった。