大相撲の元大関朝乃山(28=高砂)が十両に復帰し、初場所(1月8日初日、東京・両国国技館)に挑む。2021年に不祥事で6場所の出場停止。番付を三段目まで落としたが、再び日の当たる場所の戻るまでの苦難の道のりとは――。
【朝乃山、再起への道(5)】九州場所は東幕下4枚目で迎えた。全勝や優勝を逃しても再十両の可能性がある中、朝乃山は場所前から「優勝して文句なしに(十両に)上がりたい」と口にした。初日の一番相撲は幕下大成龍(木瀬)を寄り切って白星スタート。「先場所の1敗がこれからの相撲人生につながると思う」と前を向いて体を仕上げた様子だった。
6日目の4番相撲は十両の土俵に上がり、約1年半ぶりに大イチョウ姿を披露。「やっぱり身が引きしまる、今から場所に行くんだという気持ちになった」。十両徳勝龍(木瀬)との〝幕内V力士対決〟も話題になり、元大関が一気に押し出して圧倒した。
こうして順調に連勝を伸ばしたが、再び〝悪夢〟を見ることになる。11日目の6番相撲で幕下玉正鳳(片男波)に痛恨の黒星。結局6勝1敗で終えたとはいえ、2場所連続のV逸に「ここ一番(力を)発揮できない自分が弱かった」と悔しさをあらわにした。
それでも場所後に開かれた初場所の番付編成会議で自身の十両復帰が決まった。納得いく成績ではなかったかもしれないが、かつての地位に返り咲くために一歩前進した格好だ。一方、相手のレベルも格段に上がり、これまで以上に厳しい道のりとなる。これには朝乃山本人も「日々精進してまいります」と気を引き締めた。
処分後、足が遠のく富山には近いうちに帰省の機会が訪れるかもしれない。「関取に復帰してから(富山に)帰りたい」という元大関の希望を踏まえ、朝乃山富山後援会では、2月に地元で祝賀会を開く計画が浮上。朝乃山をよく知る関係者は「性格的には、すぐにでも帰りたいんじゃないか(笑い)」と証言するが、それもあと少しの辛抱だ。
「去年は自分の不祥事で期待を裏切ってしまったので、もう一回心の底から応援してもらえるように一から頑張りたいですし、また上を目指していきたいです」。朝乃山の〝V字復活〟はまだまだ始まったばかりだ。











