一気に駆け上がれるか――。大相撲初場所2日目(9日、東京・両国国技館)、元大関の十両朝乃山(28=高砂)が十両千代栄(32=九重)を突き出して2連勝。6場所ぶりに関取復帰を果たした今場所の成績次第で1場所で幕内に返り咲く可能性もある中、元大関は最高レベルでの達成を期待された。

 取組後の朝乃山は「まわしは取れなかったけど、体が反応したので、あとは土俵際の突き落としなどを頭に入れながら攻めることができた」と納得の表情。初日はやや硬さが見られたが、この日はしっかり前に出て相手を一蹴した。

 新型コロナウイルス対策の規則違反による6場所出場停止処分を経て昨年7月の名古屋場所で復帰。関取として土俵に上がるのは2021年5月の夏場所以来となる今場所は、西十両12枚目。好成績で優勝すれば春場所(3月12日初日、大阪府立体育会館)で幕内に返り咲く可能性もある。

 朝乃山の学生時代をよく知る相撲関係者は「場所前に(朝乃山と)電話して15戦全勝だったら幕内に上がれるのかどうか聞くと『上がれると思う。ただ全勝で上がるのはなかなか難しいぞ(笑い)』と話していましたね」と明かした。

 十両は好成績の力士が幕内力士と対戦を組まれることもあり、全勝のハードルは非常に高い。実際に十両で全勝Vを達成したのは栃光、内田(のちの豊山)、北の富士、把瑠都、栃ノ心の5人しかいない。

 それでも前出関係者は「大変だと思うけど頑張ってほしい」と期待を寄せ、富山後援会関係者は「本人も今やるべきことは1場所でも早く幕内に戻ることであり、勝ち続けるしかないと考えていると思う」と証言する。

 もちろん朝乃山自身も十両Vへの意欲十分。上々の滑り出しに「いい緊張感で土俵に立てているので、また切り替えて自分の相撲を取り切りたい」と表情を引き締めた。