天候によって体調が悪くなる気象病。その症状は様々で気圧の変化によって不調が起こりやすくなるという。なぜ天気によって体調が変化するのか? 原因や対策を精神科医の渡邊宏行医師に教えてもらおう。

 ――そもそも気象病とは

 渡邊医師(以下渡邊)気象病という病名は医学的には使われない言葉ではありますね。最近は、メディアなどで取り上げられるようになり認知されるようになりましたし、気象病外来を行っているお医者様もいるようです。気象病というのは、天候が変化して特に気圧が変わることで様々な体の不調が起こるという病気です。

 ――低気圧が近づくと体調が悪くなるという人もいますよね

 渡邊 割と昔から多くいるような印象です。原因としては、耳の奥の内耳というところが気圧の変化を感じとることでそれが脳に伝わって自律神経の失調を起こすのではないかと考えられています。耳鼻咽喉科で内耳の研究をされている先生がそういった理論を提唱されています。

 ――具体的にはどのような症状ですか

 渡邊 耳鳴りやめまいが起きやすくなったり、頭痛の症状もあります。そのほか、倦怠感や肩こり、関節痛などの症状が起きやすいと言われています。自律神経が乱れると様々な体の不調が起きますし、症状の出方によってはうつ病に近いような状態になる場合もあるんです。

 ――気象病になりやすい人の特徴

 渡邊 女性の方が気象病になりやすい印象がありますね。理由はまだ具体的には解明されていないのですが、女性の方が女性ホルモンや生理の周期の関係で、自律神経のバランスを崩しやすいと考えられていますのでそのせいもあるのではないでしょうか。ちょっとしたストレスで体調に変化を起こしやすいという人は男女問わず気象病になりやすい傾向にあると思います。

 ――時期に関して傾向はありますか

 渡邊 時期は台風など低気圧が近づいてきたタイミングですね。高気圧で天気が良い日に体調を崩す人はあまり見たことがないので天気が悪くなると体の調子が悪くなる場合がほとんどですね。

 ――気象病で受診する場合はどのような診療や治療が受けられるのでしょう

 渡邊 耳鼻咽喉科で気象病外来を開いている医療機関もあるようですので耳鼻咽喉科でも診てもらえると思います。また、気象病は自律神経にも影響するため、症状によっては心療内科や脳神経外科など受診科目が異なる場合もあります。また、治療は基本的には対症療法です。めまいの症状があればめまいの検査を行ってめまいを防ぐ薬を処方するなどです。また、日常生活での睡眠や食事のバランス、運動習慣も大切。低気圧が近づくときは事前に予測し、無理をしないなどといった工夫も大切ですね。

 ――他に予防する方法はありますか

 渡邊 やはり健康的な食事を心がけたり睡眠を十分にとる、適度な運動をするなど、生活面で体調を整えることも予防の1つになると思います。生活を見直すことで自律神経も正常になりますので大切ですよ。それ以外には、熱めのお風呂で入浴することも血行を良くして体調を整えてくれる効果があります。肩こりがある人はストレッチをして筋肉を伸ばすことで血行を良くし体調を改善することができます。

 ☆わたなべ・ひろゆき 信州大学医学部卒。大学病院、県立病院、民間の精神科病院を経て、心療内科クリニック勤務。並行して、嘱託産業医として、多数の中小企業を訪問し、こころとからだの予防医療を実践している。