地元の期待に応えられるか。大相撲九州場所2日目(14日、福岡国際センター)、大関カド番の正代(31=時津風)が幕内高安(32=田子ノ浦)を寄り切って初日を出した。ご当所力士として臨む今場所は故郷熊本の後援会がバスツアーを組んで応援に駆け付ける予定。場所後には好成績を条件に凱旋祝賀会も計画している。そうした中、後援会は正代に対して「優勝」の2文字を封印。いったい、どういうことなのか――。
正代が高安を力強く寄り切って初白星。取組後は「素直にうれしい。落ち着いて取れたと思うのでよかった。よく体が反応してくれた」と安堵の表情を浮かべた。9月の秋場所は大関で最速となる9日目に負け越しが決定(1場所15日制以降、途中休場を除く)。最終的に4勝11敗と屈辱的な成績に終わり、今場所は大関在位13場所目で5度目のカド番となった。
そんな中、故郷の熊本は正代の復活を熱望している。宇土市後援会の金田光生会長は「勝ち越してくれたら、今度は熊本で(大関の)昇進祝いをやりたい。大関から落ちたらできない。本人(正代)にも伝えているんだけどね」と地元で祝賀会を開催する計画を披露。その一方で「優勝してくれとは言わないし、10勝してくれたら十分。プレッシャーをかけるつもりはないので」とも付け加えた。
本来であれば、ご当所場所で優勝を果たした上での凱旋が理想のはず。あえて〝ゆとりノルマ〟を設定したのには理由がある。正代は先月23日に都内で大関昇進披露祝賀会を開催。角界内外から約400人の招待客が顔をそろえた。その一大イベントの存在が正代の重圧となり、秋場所の記録的な低迷を招いたともささやかれている。「優勝」の2文字の封印は、本人に過度なプレッシャーを与えないための〝親心〟というわけだ。
同後援会では12日目(24日)に約30人がバスツアーを組んで、会場に応援に駆けつける予定だという。金田会長は「私たちが行くタイミングが〝勝ち越しの日〟になればいいんだけど」。もちろん、勝ち越しどころか優勝争いの先頭を走る展開なら大歓迎だろう。
その正代は「(周囲の期待は)嫌でも意識してしまうので、吹っ切れてその日の一番に集中できたら」と目の前の相撲に集中する構え。地元の思いを背に受けて、このまま勢いに乗っていきたいところだ。









