〝バルカン半島のノストラダムス〟と呼ばれるババ・ヴァンガは1996年に84歳で亡くなっているが、生前に5079年までの予言を残していた。東欧で知らない人はいないと言われるほどで、ヒトラーなどの歴史的人物が彼女の予言を聞きに訪れたという伝説もある。

 ババは数多くの予言を的中させてきたとされるが、今回注目されているのは1979年に作家のヴァレンティン・シドロフ氏と行った対談での発言だ。

「ウラジーミルの栄光、ロシアの栄光だ。誰もロシアを止めることはできない。すべては削除され、保持されるだけでなく、世界の支配者になります」

 この予言が今回の戦争についてのことだとすると、戦争は2年続くと予言されている。

 この予言については東欧圏では、日本人が思っている以上に真剣に信じられている。この予言を東欧各国の複数のメディアが報じたからだ。そして、ウクライナ最前線で戦闘しているロシア兵と妻の電話での会話をウクライナ側が傍受。ウクライナ国防省の情報局がユーチューブにアップした。そこには戦争が2年も続くというババの予言を信じる妻の悲しみが表れている。

 ロシア兵が「給料はしっかり払われたよ」と言うと、妻は「給料はどうでもいいです。家にいてください」と応答。ロシア兵が「俺も家に帰りたいけど仕方がない。昨日、逃げようとした連中全員が連れ戻された」。妻は「ババ・ヴァンガの予言によると、戦争は2024年まで続くんでしょ。そして昨日、私は考えていました。私はあなたに2年間も会えないでしょう。そんなに待てない、待てない」と語り、泣き声になった。ロシア兵は「泣き言を言わないで。泣き言を言わないで…」、妻は「待てない、待てない…」。

 戦争は人々の人生を壊してしまう。