10日投開票の参院選は各種情勢調査で、自民党が優勢を保ったまま終盤戦に突入した。街頭演説会では麻生太郎副総裁(81)が日教組や朝日新聞など因縁の相手をぶった斬る“麻生節”を炸裂させた。

 4日、千葉・行徳駅前で千葉選挙区から立候補している自民党の猪口邦子元少子化担当相の応援に駆け付けたのは麻生氏だ。集まった200人近い聴衆を前におもむろにマスクを外すと、参院選の重要さをこう訴えた。

「参院選は政権選択選挙の衆院選と違うとよく言われるが、安倍1次内閣の時は参院選で負けた後の衆院選でボロ負けした。次の衆院選を占う非常に大きな要素がある」と自身が首相時の衆院選で、民主党に政権を明け渡した苦い過去を振り返りつつ、最後まで油断は禁物と説いた。

 その上で麻生氏はロシアのウクライナ侵攻を受け、安全保障をテーマにこう話し始めた。

「皆さんは日教組から学校で『戦争などない。先進国の間で戦争はないんだ』と学んだんじゃないですか? 日教組はそう教えていた。今、その人たちは何を言っているのか、ぜひ会いたい」とまずは日教組をチクリ。

 さらに国連はロシアが安保理常任理事国で拒否権を持つため、ウクライナ侵攻に対する効力ある対応ができていない事態を受け、「『国連に軍隊を』と小沢一郎さんがよく言っていた。その国連は何の機能もしていないじゃないですか。国連という組織の欠陥だと思わないと。改革するには日本が常任理事国にならないとできないのはハッキリしている」と自衛隊とは別に国連に提供する「国連待機軍」の持論を持つ立憲民主党の小沢一郎氏を皮肉った。

 失言癖がある麻生氏には、新聞社や通信社、テレビ局の番記者がその一言一句をチェックしているが、冗舌となった麻生節は止まらない。

 小泉政権で有事法制、国民保護法制、安倍政権で平和安全法制を成立したことを挙げ、「新聞はみんな反対だった。こんなことをやったら国民が戦争に巻き込まれるから反対、と朝日新聞は書いていたが、あの人たちはどうなったか」と朝日新聞を攻撃するのも忘れない。

 日教組、小沢氏、朝日新聞と“天敵”を演説の中にすべて盛り込んで、ご満悦の麻生氏は最後に「3つの法律が通ったから安全保障の対策ができた。子供の時にいじめられた子はどんな子だったのか。弱っちい子がいじめられる。強いやつはいじめられない。国も同じ。戦争が起きなくなる抑止力。自民党がやってきた確固たる自信があります」と胸を張ってみせた。

 もっとも毒舌全開の麻生節が何事もなく終わるはずもなかった。報道各社はこのいじめのたとえをクローズアップ。共同通信社は「いじめ問題への理解が足りないとの指摘も出そうだ」とニュース配信した。参院選の情勢に何かしらの影響を与える可能性も出てきそうだが、毎度の選挙戦で物議を醸している麻生氏からすれば“平常運転”でしかないようだ。