仁義なき〝月見戦争〟が勃発か――。「モスバーガー」を展開する株式会社モスフードサービスが6日、都内で記者発表会を実施。期間限定メニュー「月見フォカッチャ」を14日から新発売することと初の仮想店舗「モスバーガー ON THE MOON」をメタバース上に出店することを発表した。

 マーケティング本部長の安藤芳徳氏は「いつかは…と思っていた月見戦争に参入する。一番後発だが、(月見フォカッチャの)半熟風たまごのとろとろ感とソーセージのパリッと感が合うと思う。過去にたまごを使った商品はあったが、月見という名前をつけるのは初めて」と意気込みを語った。

 月見といえばやはり業界最大手マクドナルドの「月見バーガー」の存在感が群を抜いている。今年は7日から発売開始で、定番に加えて「こく旨 すき焼き月見」を投入するほか「あんことおもちの月見パイ」「栗のモンブランの月見 マックフルーリー」など、デザートまで含んだ全5品を月見ファミリーとして売り出している。

 商品数と知名度で劣るモスが用意したのが、メインターゲットである30~40代女性に訴求するための「美少女戦士セーラームーン」のテレビCM起用だ。「月にかわってお仕置きよ」の名台詞を「月見にかわっておいしいよ」にアレンジした。

 そしてZ世代に向けてはソーシャルVRプラットフォーム「VRchat」内の〝月面空間〟に仮想店舗をオープンさせた。同店舗はVRゴーグルがあれば24時間365日来店可能。店舗の外にあるテラスで地球を一望しながら、食事を楽しむ体験ができるという。まだVRゴーグルを持っている人は多くないが、14~16日の3日間、都内の3店舗で実際にVRゴーグルをつけてメタバース上で新メニューを調理する体験会を実施する予定だ。

「Z世代は年代と性差では切れずに、ブームを作っていける方々が多い世代なのではないかと思っている。彼らと一緒に新しいモスを作っていくという道筋がつけば」(安藤氏)

 流通アナリストの渡辺広明氏は、2つのマーケティング施策を同時に走らせている点を高く評価。「『月に出店する』という話題性もあって、記者発表会には多くのメディアが駆け付けました。これだけで広告効果としては上々の滑り出しでしょう。メタバースへの出店は、アバターへのニーズからアパレル業界が先行していましたが、これからは飲食チェーンの出店も珍しいものでなくなるのかもしれません」と分析した。

 秋の月見メニューをめぐってはハンバーガー業界のみならず、牛丼チェーンや弁当チェーンにも〝戦線〟が拡大中。とろ~りおいしい思いをするのはどこの飲食店か、注目だ。