そろそろ先を見据えた戦いを――。阪神は25日のDeNA戦(京セラ)に5―0で快勝したものの、今カードは1勝2敗で負け越した。3位を維持しているとはいえ、最下位中日まで4・5ゲーム差しかなく、CS進出をかけた争いは予断を許さない。球団OBでもある野球評論家の柏原純一氏は「今こそ短期決戦に備えた戦い方をすべき」と指摘した。
【柏原純一「烈眼」】この3連戦を負け越した阪神は逆転Vこそ厳しい状況になったが、CS進出圏の3位はキープしている。だからこそ、矢野監督には、先を見据えた采配の〝シフトチェンジ〟を提言したい。
2試合連続の零敗で迎えた初回、先頭の中野が安打で出た無死一塁。どう得点圏に走者を進めるか興味深く見ていたら、矢野監督は2番・島田に「打って」チャンスメークを期待する策に出た。結果的にランエンドヒットの形の一ゴロで一死二塁となり、その後の二死満塁からのロハスの先制押し出し四球につながった。
成長著しい島田の対応力への期待や17盗塁の脚力であればよほど強いゴロでない限り、併殺の可能性は低いと計算した上での策というのは分かる。だが、今後は無死一塁や一死一塁など、得点圏への進塁が期待される場面では犠打を重用すべきだと思う。試合序盤ほど大量点を狙いにいくのではなく、意識的に手堅く得点圏に走者を進め、1点を重ねていく野球に徹したほうが、今後は勝算が高まると考える。
12球団トップのチーム防御率2・53を誇る阪神は先発、中継ぎとも申し分ない布陣を敷く。今月の8連敗中でも最多は5失点と大崩れの心配もない。このストロングポイントを生かしていく上でも「1点でもいいから常に相手の先を行く試合運び」に特化していくべきだろう。
この先の戦いでは一つの勝敗の重みも変わってくる。そんな局面で鍵を握るのは「打ち合い」ではなく、むしろ「守り合い」。ここまで先制点を挙げた試合は43勝18敗1分け。この数字は首位ヤクルトともほぼ互角だ。一方で1点差試合16勝22敗と惜敗も多いのが今年の阪神の特徴でもある。
最終的に「競り勝つ」のではなく、先にリードして優位に立つ。この戦い方はCS、日本シリーズと続くポストシーズンでも、相手にとっては必ず脅威となる部分でもある。最後の最後に大輪の花を咲かせるためにも、矢野監督には堅実さを前面に出したタクトを期待したい。
(野球評論家)












