今後につながる一戦だった。レスリングの明治杯全日本選抜選手権(東京スポーツ新聞格技振興財団協賛)最終日(19日、駒沢体育館)、女子62キロ級決勝で東京五輪金メダルの川井友香子(24=サントリービバレッジソリューション)は、尾﨑野乃香(19=慶応大)に敗れたが、悲観する様子は見られない。

 昨夏の東京五輪では、姉で同57キロ級の川井梨紗子(27=ジャパンビバレッジ)とともに、夏季五輪日本史上初の姉妹金メダルに輝いた。しかし、達成感から「練習はしていたが、気持ちが入り切らない状態が続いていた」と明かす。そんな川井友を救ったのは、過去に金メダルを手にした大先輩たちだった。「姉もだが、登坂(絵莉)さんや(吉田)沙保里さんに話を聞いてもらった。『五輪チャンピオンになってすごい注目されるけど、これを経験したくてもできない人もいる』と言われ、苦しいけど幸せなことだなと思った」。少しずつ心境が変化し、2~3月ごろからは気持ちが入るようになったという。

 どん底から新たなモチベーションを見出した川井友。「この大会に出て、ここまで来れたことに対して自分のことを褒めてあげたい」。金メダリストならではの重圧と戦う中で、進化の片鱗が垣間見えた。