【闘魂師弟対談・前編】〝燃える闘魂〟アントニオ猪木氏(77)が2021年へ雄たけびだ。今年9月30日には猪木氏がデビュー60周年を迎えたこともあり、弟子でバルセロナ五輪柔道95キロ超級銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏(52)が祝福に訪れて聞き手に立候補。まさかの〝師弟対談〟が実現した。新型コロナウイルスに振り回された20年を猪木氏はどう見たのか、さらに21年はどう生きるべきか? 今後も「闘魂節」から目が離せない!

 小川氏(以下小川) 会長、60周年おめでとうございます 体調はどうですか? 7月に病気(心アミロイドーシス)の報道を見て心配してたんですけど…。

 猪木氏(以下猪木) いや、まあ、なかなか。〝お迎え〟がそこまで来てるんだけど…。

 小川 なんですか、お迎えって!

 猪木 連れてってくれって、思っててね(笑い)。

 小川 会長、元気の出る話を(苦笑い)。

 猪木 でも、今年はどうしてもコロナの話になっちゃうな。他に話がねえんだよ。テレビつけても一日中コロナだし。最初の対応の仕方が遅れたよね。甘く見過ぎたというか。ブラジルとも連絡とってるけど、あそこはもうひどいよね。どこも安全なところがないんだもん。無人島に行ったってしょうがないし。ブラジルに逃げるかっていってもねえ。

 小川 ブラジルは危険です。会長、ブラジル(の話)はやめましょう。

 猪木 もっと、(肉料理の)シュラスコを食えって。

 小川 この間、会長のユーチューブを見てたら「1、2、3、ダーッ!」はいつものようにやってらっしゃいましたね。

 猪木 あれだけはどんなに調子悪かろうが、とりあえずやっておけば「まだ猪木は元気なんだ」って、思ってもらえる。まあ(今の年齢の)77歳が一つの目標というか。ブラジルの時にじいさんがその年で亡くなってるんですよ。兄弟みんな早いんだよね。70なんていかないんだよ。でも1つ今回、例のプラズマ。知ってる? 水プラズマ。

 小川 水プラズマ…ですか?

 猪木 今、九州大学の渡辺(隆行)先生と一緒に水プラズマで世界のゴミをきれいにしようというんで。(プロレスの)興行で行って見たフィリピンの「スモークマウンテン」やアマゾンのゴミ問題を昔から解決したいと思っていたけど、どうやっていいか分からなかった。それがたまたま去年渡辺教授と出会って、意気投合してやっているところなんです。

 小川 ゴミを溶かすんですか?

 猪木 溶かすっていうより元素に変えちゃうの。俺の役割は「実際にそういうことができるんだ」と発信をすること。それにはもう一つ、元気を出さないといけない。今はその戦いなんですよ。何かをやって自分にムチを打たないとしょうがないから。
   
(後編に続く)