東京五輪柔道女子70キロ級代表の新井千鶴(26=三井住友海上)が7日、オンラインでの合同取材で現在の思いを語った。

 五輪が来夏に延期になったことに関しては「あまり影響は感じていない。再度目標を持てた中で、どこを伸ばしていけるのかということを考えながら過ごしている」とモチベーションは保っている様子。

 緊急事態宣言中は「世界も大変なこの状況で、外国人選手はフィジカルの面をものすごく強化しているのかな」との思いから寮での自重トレーニングに明け暮れていた。そのおかげで6月から段階的に稽古を再開した際にも、体力面での落ち込みは感じなかったという。

 さらに今取り組んでいるのが組み手の強化だ。2017、18年と世界選手権を連覇するも、昨年大会では3回戦敗退。その悔しさから自分の失点場面の映像を精査し「原因になっていたものが組み手。組み負けているシーンが多かった」と分析。次なる試合に向けて自分の不得意なパターンを洗い出している。

 コロナ禍で学生を含めて大会がなくなっている苦しい状況。次戦についても未定だが「こういう状況だからこそ前を向いて、本当にちょっとのことでもいいから目的を持って取り組む。自分の信念を貫き通してやることが大事だと思う」と前を向く。

 五輪本番に向けては「1戦1戦積み上げてきて代表権を獲得した。去年の世界選手権の悔しさもあるので、本番で悔いのない試合をするためにこれから過ごしていきたい」と最後に力を込めた。