金正男氏(45)の暗殺事件がきっかけとなり、異母兄を殺す指令を出したと言われる金正恩朝鮮労働党委員長を巡る“影武者説”で、日本政府筋の某機関でも正恩氏の徹底再調査・分析が行われていたことが分かった。その結果、導き出されたのは「本物とは別人の正恩氏がいる」という可能性だ。北朝鮮は6日朝、弾道ミサイルの可能性がある飛翔体を発射した。
正男氏が2月13日、マレーシアで殺害されてから6日で3週間。同国のスブラマニアム保健相は2月26日の記者会見で、殺害された正男氏の身元確認に関し、DNA鑑定が困難な場合に備えて歯型や顔のほくろによる照合も検討していることを明らかにした。
「マレーシア政府の動きは、死亡した人物が『金正男ではない』と主張している北朝鮮にプレッシャーを与える。安倍内閣も、正男氏とみられる人物が2001年に不法入国した際のデータなどを分析。密入国で逮捕されると服を脱がされ、写真を撮られる。背中いっぱいに彫られた入れ墨や国内にいる謎の異母妹の存在など、マレーシア政府から情報提供を求める要請があれば、協力していく方針だ」(日本の政府関係者)
正恩氏については「耳の形が以前と違う」などの指摘により、一部で影武者の可能性が報じられている。日本政府筋の調査機関は、今月始まった米韓軍事演習の期間中、北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射、核実験を強行する動きに対応するため、正恩氏に関する再分析を行った。
「各方面から提供された情報で、最も注目を集めた一つが正恩氏の“影武者”説です」と前出の関係者は打ち明ける。極秘資料には、こんなショッキングな情報があった。
幼いころからバイクや車の運転が趣味だとされる正恩氏。実は、2008年8月15日の深夜、正恩氏がハーレーダビッドソンに乗って平壌市内を猛スピードで走行中、交通事故を起こしたという。
「脱北者などの証言によると正恩氏は、7歳でメルセデス・ベンツ600を運転して平壌市内の招待所周辺を我がもの顔で運転していた。ハーレーで交通事故を起こした当時の北朝鮮は、父の金正日総書記が狭心症などの持病を悪化させたとして、フランスから優秀な医師団を呼び寄せていた。実は正日氏の症状が悪化した理由は『正男氏でなく、正恩氏を後継者に…』と進めていた矢先の事故でショックを受け、体調を崩したということのようだ。そこで悲劇な出来事として、当時、正恩氏の死亡説が西側諸国に伝わったのです」(同関係者)
ハーレーの事故で重傷どころか、再起不能もしくは死亡したかもしれないというのだ。だとしたら、そもそも指導者としてお披露目したときには既に影武者だった可能性まで浮上する。
正恩氏が後継者と騒がれていた09年ごろ、1998年や01年ごろの若き日の写真が流出した。その後、正恩氏が公式行事に登場したのは11年、北朝鮮の共和国創建63周年記念日にあたる9月9日、平壌の金日成広場に金正日総書記と揃って観閲台に姿を現した。
そして同年12月に平壌で営まれた正日氏の葬儀で、妹の与正(ヨジョン)氏と弔問に訪れた外交団らに対応する姿が確認され、ポスト北朝鮮リーダーとして世界中の注目を集め始めた。
平壌情勢に詳しい関係者は「当時、若き後継者として放送した正恩氏の映像と、最近の映像とでは、違う人物では?と疑わざるを得ないことがあるんです。ましてや幼少時の写真と見比べると、耳たぶの形や歯並びなどが微妙に違う。複数の影武者を使い回しているのではないか」。
ならば、陰で北朝鮮を牛耳り影武者を立てているのは誰なのか。
表面上は正恩氏に次ぐ序列第2位の大物政治家で、対外的に国家元首の役割を果たしている金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員会委員長(89)となる。
やはり、金委員長を中心とした真の権力中枢機関とされる朝鮮労働党指導部が、正恩氏の影武者を立てているのだろうか。韓国軍によると、6日午前7時36分ごろ、北朝鮮北西部からミサイルとみられる飛翔体が発射された。
金正恩氏“影武者説”を検証…「本物とは別人がいる」
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