「シャギー」とは米国・ウィスコンシン州で目撃された謎の多い未確認生物である。
身長は2メートル程度。全身は毛で覆われており、犬に似た頭部と鉤爪(かぎつめ)を手に備えているとされている。人間や車を猛スピードで追いかけて来ると言われており、一説には四足歩行や四足走行も可能だとも——。
これまた、米国のUMAに多い「ヤギ男」「豚男」「トカゲ男」と同じく、半獣半人の怪物である。その似通った形状から「ドッグマン」や「狼男」との関連を指摘する声もある。
確かに目撃者によるスケッチや証言からは“痩せ形のビッグフット”や“スマートな狼男”といった印象も受ける。
シャギーが初めて目撃されたのは1991年10月31日のこと。午後8時30分ごろ、ウィスコンシン州エルクホーンに住む少女ドリス・キプソン(18=当時)が霧の中、車を走らせていたところ、突如何かが衝突。そして何者かが右前方へジャンプしていったのに気づいたという。
彼女が恐る恐る外へ出ると、霧の中から黒い毛むくじゃらの獣人が姿を現したのだという。魚が腐ったような異臭をまとい、手に車にひかれたらしい小動物の死骸を持って獣人がゆっくりと近づいてきたため、彼女は慌てて車に戻って発進させた。
しかし、獣人は俊敏な動きで車に飛びかかり、なんと車のトランクの上に着地した。彼女はアクセルを吹かし、なんとか獣人を振り払って自宅へ逃げ帰ったという。翌日、車を調べてみるとトランクには獣人が付けたものらしき引っかき傷が多数残っていた。
翌1992年8月には、ハイウエーを走行中の車が謎の獣人に追いかけられる事案が発生。この時、獣人は初めはハイウエーに立っていたそうだが、横を通り過ぎた途端に長い鉤爪を突き出して、猛スピードで追いかけてきたという。
この2か月後、同ハイウエーでまた同じ獣人とみられる生物が目撃されている。
このように1990年台初頭に目撃証言の多発したシャギーだが、実はもっと前から目撃されていたのではないか、とする説がある。
1936年、森林警備員が古いネーティブアメリカンの墓を掘り起こす人影を発見。よくよく見ると狼に似た顔に毛むくじゃらの獣人だった。
獣人は目撃者に気づくと「ガラダ」という謎の言葉を発して逃げ去ったが、翌日現場を調査してみると、荒らされた墓の周辺には異臭と怪物のものらしき謎の足跡が残っていた。
この「ガラダ」という謎の言葉は、筆者は魔術の呪文だと思っている。実は古代ユダヤの魔術の呪文に「ガラダ」という言葉があるのだ。なお、この時はシャギーは「ブラフ・モンスター」と呼ばれていた。
このシャギーの正体については諸説ある。一番多いものが既知の動物などの誤認説で、特に1991年のケースは目撃されたのがハロウィーンの日であったこともあり、仮装した人を見間違えたのではないかとも言われた。そもそも、半獣半人は生物学的にはありえないキメラである。ゆえに米国で多く目撃されている“獣人系UMA”の大部分は、ハロウィーンの仮装の見間違えと判断するのが、妥当ではないだろうか。
しかし、同地域に昔から住んでいた先住民族ネーティブアメリカンのチペワ族の伝説には「ウェンディゴ」という、森に潜む謎の獣人の伝説がある。シャギーの目撃された地域が北米大陸の代表的なUMA、ビッグフットの目撃多発地域にも近いことから、シャギーの正体は“ビッグフットの小型の個体”だとする説もある。
他にも「チュパカブラ」など他のUMAと同じく宇宙人が連れてきたか、DNA操作で作り上げた“エイリアンアニマル説”を唱える研究家もいる。
シャギーやヤギ男など米国の半獣半人UMAに対して、個人的に筆者が10年以上前から主張しているのは、悪魔崇拝やカルト教団の儀式との関連である。シャギーが口にした「ガラダ」という言葉が呪文であったことから、獣の頭部を頭にかぶり悪魔的な儀式を行っていた連中をUMAと誤認した可能性はないだろうか。
皆さんは、中世の悪魔崇拝者たちがヤギの頭をかぶり、サバトという祭りをやっている絵を見たことがあるだろうか。黒魔術には獣の頭をかぶり呪文を唱えることで、その獣と一体化できるという魔法があるのだ。
果たして、シャギーの正体は何なのだろうか。いつか、霧の中から現れ明らかになることだろう。












