【注目! 令和の健康新技術】新型コロナ感染症のパンデミックは医療・介護関連機器の製造現場にも影響を与えている。感染症を防ぐ技術が従来以上に取り入れられるようになったのだ。今回は、普段あまり話題にされない黒子のような技術を取り上げてみる。
吸引器は、医療機関や家庭で使われ、たんや唾液、鼻水などの分泌物を患者さんが自分の力で十分出せない場合にモーター等で吸引して取り除く医療機器だ。分泌物を体外に取り除くことで呼吸を楽にする。取り除かなければ、肺炎などの感染症のリスクが増大してしまう。その予防のために、病院などの医療機関や家庭でも吸引器が使われている。
一般家庭で使われるのは電動式吸引器である。たんや唾液、鼻水などを吸引し、ボトルにたまった分泌物を廃棄する仕組みになっている。医療機関でも同じものが使用される。一方、病院など医療機関だけで使用される壁掛吸引器というタイプは、名称の通り壁に掛けて使用されるものだ。病院内の配管設備を使って吸引するので、吸引力も強力になっている。
医療機器メーカーの三幸製作所(さいたま市西区)が、この2月に発売した電動式吸引器「ミニックS―Ⅱ」「W―Ⅱ」と壁掛吸引器「DS―1000」という新製品の技術的工夫をチェックしてみよう。
吸引器は、さまざまな粘度の分泌物を吸引するためにパワーを調整できる。また、分泌物を簡単に処理する必要もあり、その調整や処理は人間が行う。病院であれば主に看護師などであり、家庭では一般の個人が行う。そこで、調整や処理が簡単、確実にできるためのデザインや、ディスポーザブル(使い捨て)機能を取り入れたのが新製品の特色だ。
医療の現場ではディスポーザブル機能が歓迎されるものが多い。例えばマスク、手袋、注射針、注射器などが代表的だ。
その主な理由は昨今対策が進むようになった院内感染を防ぐためだが、取り扱いの手間が大幅に減少するメリットも大きい。繰り返し使う機器・器具は、再使用するために使用後には洗浄、消毒、滅菌などが必要だった。それが省略できるのだ。
そのディスポ機能が吸引器に採用されると、どういう影響があるのか。次回はこの技術について、もう少し詳しく紹介しよう。












