和歌山市で乗用車を運転中に自転車の40代男性を転倒させ、負傷させたとして自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われた女性(43)に、和歌山簡裁が「男性は保険金目当ての『当たり屋』の疑いが極めて高い」などとして無罪(求刑罰金20万円)を言い渡していたことが13日、分かった。
判決は7月25日付。検察は控訴せず、女性の無罪が確定した。
判決で畑山明則裁判官は、2年弱の間に男性が、今回の件を含めると5件の交通事故に遭っていると指摘。「この確率は、世間で言われる『ジャンボ宝くじ』の1等の当せん確率とも比較にならないくらい極めて低い確率で通常の常識では考えられない」とした。
判決などによると、昨年8月、和歌山市内の交差点手前の停止線で、女性が一時停止をした後に左折をしようとしたところ、前方の横断歩道を左から右に横断しようとした自転車の男性が転倒し、左手などに全治4週間の負傷。
検察側は、女性が周囲の安全確認を怠り、男性を驚かせて転倒させたとして略式起訴したが、簡裁が「慎重な審理が必要」として略式不相当としていた。
和歌山地検の宮本健志次席検事は「控訴審で新たに立証できる事項に乏しいと判断し、控訴に及ばなかった」とコメントした。
一般的に当たり屋といえば、その場での示談金という小銭目的であり、厳密に調査する保険会社が介入するのを嫌うはず。それが保険金目的とはどういうことか。
詐欺研究家の野島茂朗氏は「損害保険は、弁護士以外で唯一、示談交渉の代理権が与えられた職種です。つまり、当たり屋は、保険会社の示談交渉担当者を言い負かせば良いわけです。また、損害保険会社は、統廃合で社内で足の引っ張り合いが強いところが多い業界です。生命保険の不正受給より、事故の相手方の損害保険の不正受給の方が容易です」と語る。
保険会社まで巻き込むとなると医者の診断書が必要となる。
「診療報酬詐欺を行うような一部の悪徳医師は、人の弱みをビジネスにする一環で、示談交渉用の診断書を作ってくれます。逆に、医師の不手際などにつけ込んで言いがかりをつけて、示談交渉用に診断書を書かせる詐欺師もいました」と野島氏は指摘する。
「当たり屋」が示談金より保険金を狙う理由
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