目の症状は様々だ。年齢を重ねると違和感を感じやすくなる。だが、そういった症状を放置しておくと目の病気を患う可能性も高くなる。眼科医で「放っておくと怖い目の症状25」(ダイヤモンド社)の著者でもある梶原一人医師に目の健康を維持する秘訣を教えてもらおう。

 ――最近、危惧していることがあるとか

 梶原医師(以下梶原)実は、自分の目の症状に不安を持ちながら、納得いく治療が受けられずに「眼科難民」となっている人が増えています。眼科に行った際は、自分の目の状態を詳しく医師に説明し、目がどんな状態なのか説明してもらうことが大切なのですが、忙しい病院だったりすると患者と医師が十分なコミュニケーションが取れなかったりして、結局自分の目に何が起こっているのか理解できないままなんとなく治療をしていくケースが多いです。その結果、治療の意味が分からないまま、継続的な治療をしたり、どこで相談すればいいのか分からなくて眼科難民の状態になってしまいます。

 ――普段の生活の中で目の健康をキープするにはどのようなことをすれば良いのでしょう

 梶原 目を温めて血流を促すことが大切です。例えば、私は濡らしたタオルを絞り、電子レンジで1分ほど温めたものを約3分間まぶたの上にのせて目の周りを温めたりします。こうすることによって涙をコーティングしてくれる「油層」のもとになる脂質の分泌を促してくれるため、涙の質が改善するのです。これはドライアイの改善にも効果がありますのでぜひ試してみてください。

 ――食べ物から目に良い栄養を取ることもできますか

 梶原 網膜の中央にあり、ものを見るために必要な視神経が集まっている視力の要を「黄斑部」と言います。この黄斑部を強力にサポートするのが「ルテイン」や「ゼアキサンチン」という栄養素です。その2つが多く含まれる食材がブロッコリー。しかし、ブロッコリーはゆでると「水溶性ビタミン」などが水に溶けだしてしまいます。

 ――もったいない

 梶原 そこで私がオススメするのがレンチンブロッコリーです。1房分のブロッコリーを食べやすい大きさにカットして、耐熱のプラスチック容器などに入れて軽く塩とごま油やオリーブ油を振り電子レンジ(500W)で4分加熱します。レンジから取り出したらふたを閉めたまま余熱で5分ほど蒸らして完成です。

 ――手軽ですね。逆に、目の健康に良くないものがあったら教えてください

 梶原 たばこはニコチンが血管を収縮させて血液の流れを阻害します。そのため、喫煙習慣は毛細血管が集まる目に、大切な血液を届きにくくします。実際のところ、喫煙者は「白内障」(レンズの役割をする水晶体が濁り、見えにくくなる病気)や「加齢黄斑変性」(視界の中心がぼやけたりゆがんで見えたり、暗くて見えにくくなる目の生活習慣病)になる確率が、たばこを吸わない人の3倍近くになるとの報告もあります。

 ☆かじわら・かずと「眼科 かじわら アイ・ケア・クリニック」院長。慶應義塾大学医学部卒。ハーバード大学研究員、スタンフォード大学リサーチ・アソシエート。日本人初のハワード・ヒューズ・メディカル・インスティテュート奨学生。北里賞受賞。