35人が亡くなった京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション(京アニ)」第1スタジオの放火殺人事件で、青葉真司容疑者(41)が、京都入りした15日から事件前日の17日まで3日間にわたり、京都府宇治市の本社などの関連施設周辺や、同社のアニメに登場し「聖地」と呼ばれる場所付近などを広範囲に歩いていたことが28日、わかった。

 京都府警は、埼玉県さいたま市の青葉容疑者の自宅アパートから京アニ制作のアニメ作品を押収しており、京アニに強い関心を持ち、一方的に恨みを抱いた可能性があるとみて詳しく調べている。アパートからはスマートフォンも押収。身柄を確保された際にはスマホを持っておらず、地図もなかった。府警は使用履歴の解析を進める。

 捜査関係者などによると、宇治市は同社制作の「響け!ユーフォニアム」の舞台で、作中に登場した橋や交差点などの人気スポットが多数点在している。青葉容疑者は3日間、JRと京阪の電車や徒歩で、京都、宇治両市内を動き回っており、京アニ本社やスタジオ、ショップなど関連施設周辺の他“聖地”付近を通る姿が防犯カメラなどで確認された。15、16日には京都市内のホテルに泊まっていたという。

 一方、京アニの代表作「らき☆すた」の舞台となった埼玉県久喜市鷲宮地区では28日「八坂祭」が開かれ、参加したファン約100人が事件の犠牲者に黙とうをささげた後「らき☆すた神輿」を担いで練り歩いた。

「らき☆すた」は女子高生の日常を描いた人気アニメで、監督した武本康弘さん(47)は安否が分かっていない。作中に登場する神社のモデルとなった同市の鷲宮神社には、2007年の放映開始直後から多くのファンが訪れるようになり、地元住民と一体で町おこしに取り組んできた。みこしはファンの有志団体が08年に制作し、毎年、ファンが担いでいる。

 有志団体の大木敏久代表(40)は「らき☆すたは人生を楽しくしてくれた大事な作品で、武本監督の安否が分からず心配だ。みこしを担ぐことで、アニメファンに少しでも元気を届けたい」と話した。