どうも! 有村昆です。1月15日に南太平洋のトンガ諸島で大規模な海底火山の噴火が発生しました。トンガ大使館の発表によると、国民の84%に降灰と津波の被害が及んでいるそうです。改めて自然災害の怖さを思い知らされましたよね。そこで今回は、災害を考えるきっかけになるような作品をご紹介したいと思います。

 それは、昨年配信された、レオナルド・ディカプリオ主演のネットフリックス作品「ドント・ルック・アップ」です。テーマは噴火ではなく彗星の落下なのですが、これがなかなか示唆に富んでいるんです。

 巨大彗星が6か月後に地球に衝突する可能性が高いことに気付いた天文学者役のディカプリオと教え子役のジェニファー・ローレンス。迫り来る恐怖を2人は政府機関に報告しますが、大統領は自分の選挙のことで頭がいっぱいで、まるで取り合ってくれません。そこでテレビ番組に出演し、世間に訴えますが、逆に変人扱いされた揚げ句、誹謗中傷にさらされてしまいます。

 やがて、政府も事の重大さに気付き「核物質搭載のロケットで彗星の軌道を変えよう」としますが、それにかかる費用は莫大。すると、資金力豊富なIT企業家がスポンサーに名乗り出ます。ところが、彗星に数十兆ドルのレアアースが眠っていることがわかると「それを採取してからミサイルを撃とう」と自分たちの利益を主張し始めるのです。スポンサーの要望に誰も口を挟めず、計画は延期。時間ばかりが過ぎる中、彗星の存在をも否定する人々まで現れます。現実から目を背ける姿は、まさに今作品のタイトル「ドント・ルック・アップ(見上げるな)」です。

 結局、彗星の破壊を求める人々、彗星を採掘して利益を優先したい人々、彗星の存在を否定する人々で世界は分断されてしまいます。そしてラストに待ち受けていたものとは…本編をぜひご覧ください!

 これまで自然災害系の作品というと「アルマゲドン」や「ディープインパクト」など、パニックになりながらも、ミッションのために団結し、立ち向かおうとするシーンが描かれるじゃないですか。ところが、本作品は団結するどころか、みんな自分たちのエゴに固執し、地球を救うことが置き去りにされるという本末転倒なことが起きてしまいます。これは今を生きる私たちへの風刺になっているんですよね。

 噴火や地震、津波、台風…緊急を要する自然災害はいつ起こってもおかしくありません。そこでエゴに走らず、いかに全体のことを考えることができるか。現代人のあり方を考える上でイチオシの一本と言えるでしょう。
 【毎週火曜掲載】

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。2012年に丸岡いずみと結婚。18年に第一子をもうけるも、昨年5月に報じられた女性スキャンダルが原因で同年7月に離婚した。