警視庁上野署は24日までに、強盗傷害の疑いで東京・文京区の無職安里武巳容疑者(24)を逮捕した。昨年12月1日早朝、タクシーの乗車代6250円を踏み倒し、運転手(54=当時)の右顔面を拳で殴り、顔の打撲など全治3週間のけがを負わせた疑い。

 同容疑者は酔って寝ていたが、支払いのため起こされると怒りだし「運転が荒い」と因縁をつけたという。タクシー業界関係者は「稼げない運転手も多い。無賃乗車だけでなく殴られるなんて。車載カメラが普及しても被害はなくならない」と嘆く。

 ところが最近は、運転手側にも荒くれ者が現れた。過失運転致傷罪などに問われた元タクシー運転手の裁判が24日、東京地裁で開かれた。尾形大介被告(40)は昨年3月14日朝、足立区を乗用車で運転中、渋滞停止中の男性(57=当時)のバイクに衝突して、頸椎捻挫等のけがを負わせた。

 男性から警察と救急車を呼ぶように言われたが「自分で呼べ」と拒否して逃走したから悪質だ。

 尾形被告は2015年12月、タクシー運転手として働いていたところ、他の男性ドライバーとトラブルを起こし、男性の顔を殴った。さらに、ボンネットにしがみついた男性を乗せたまま車を走らせたとして殺人未遂容疑で逮捕。翌年3月に傷害罪などで懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けている。この事件によりタクシーの免許を失効した。

 今回、尾形被告が運転していたのは、営業用の緑色ナンバープレートに張り替えた「白タク」だった。

「おそらく白タクで営業してるのがバレるのを恐れて、事故現場から逃走したのだろう。罪に罪を重ねて、法律順守のかけらも感じられない」(同関係者)

 東京五輪開催を控え、捜査当局は白タク摘発を強化しているというが、ルールを守らないドライバーも粗暴な客も、両方存在するのが現実だ。