打席に立つショウヘイが「巨大化」して見える――。ドジャース・大谷翔平投手(31)が打席から対戦する投手たちを軒並み震え上がらせていると米スポーツ専門局「ESPN」が伝えた〝威圧感〟が、あらためて数字で裏付けられた。11日(日本時間12日)の古巣・エンゼルス戦で3試合連発となる42号ソロを放ち、10試合連続安打をマーク。発覚したハワイ不動産訴訟の渦中でも同日現在、本塁打王争いでリーグトップタイに並び「鉄のメンタル」を見せつけた。
チームが波に乗れなくても、大谷の打棒爆発は加速度を増すばかりだ。この日の古巣エンゼルス戦に「1番・DH」で先発出場し7点を追う8回一死、相手右腕アンダーソンの投じた内角カットボールを右翼スタンドへたたき込み、驚異の3戦連発となる42号ソロ。チームはナ・リーグ西地区首位の座こそ何とかキープしたとはいえ結局4―7で2連敗を喫し、同日現在で2位・パドレスに1ゲーム差と肉薄された。それでも大谷のバットの勢いは止まらず、5戦4発でキング争いを繰り広げるフィリーズのカイル・シュワバー外野手(32)とともにリーグトップタイとなった。
米スポーツ専門局「ESPN」は今年6月、同局放送の番組内で大谷にまつわる「ある特徴」をクローズアップ。これまで大谷との対戦経験を持つ複数のメジャー投手たちの証言として「オオタニが打席に立つと実際よりも大きく見える」「彼が打席に立つだけで恐怖感を覚えてしまう」「エンゼルスにいた時よりも、明らかにショウヘイが心身ともに大きくなっているのは確かだ」などといった〝告白〟を取り上げ、ひそかに話題となっていた。
これらの指摘が夏場も終盤になるにつれ、古巣のエンゼルスを相手に3試合連続弾&10戦連続安打をマークするなど一層色濃く可視化されていると言えるだろう。
実際に相手投手の慎重さは、配球の端々に表れている。ストライク先行、あるいは追い込んでも大谷の威圧感におびえるがあまりにゾーンのギリギリを突こうとする「逃げ球」が増えていく。だが大谷は崩れることなく見極めボールを引き寄せ、甘く入った瞬間だけを逃さない。前出の「ESPN」も「『ゾーン・マネジメント』と『最短最速のスイング』を貫くことで、相手投手の〝恐れ〟を実際の得点に変換しているのが、進化し続ける今のオオタニの姿だ」と評している。
しかしながら舞台裏では、気がかりな報道も舞い込んできた。AP通信など複数の米メディアによれば、ハワイ島ハプナ・コーストの総額約2億4000万ドル(約356億円)の高級住宅開発をめぐり、大谷と代理人のネズ・バレロ氏が不法行為による業務妨害などで提訴された。ハワイの不動産投資家ケビン・J・ヘイズ・シニア氏ら原告側2人は訴状で「有名人としての影響力で原告の役割を不安定化させ、排除した」と主張。報道によると「係争は継続中で、事実関係の最終判断はこれから」とされている。
元通訳で禁錮4年9月の実刑判決が下された水原一平受刑者(40)の窃盗・賭博事件に続き、グラウンド外の法的トラブルが再び発生してしまったのは事実。それでも大谷は、日々の試合で黙々と結果を積み上げている。ドジャースのチーム内だけでなく対戦相手の球団やMLB関係者から常々「オオタニは、どんな荒波にものみ込まれない〝メンタル・タフネス(鉄のメンタル)〟の持ち主」と絶賛され続けている理由は、こんなところにも表れていると言えるかもしれない。
訴訟などの〝火の粉〟がいくら振りかかってきても、スコアボードには常に打席と結果だけが刻まれる。それを分かっているからこそ大谷のプレーには数字でねじ伏せる説得力と、周囲の騒がしさをはね返す集中力が兼ね備わっている。
地区首位争いの真っただ中において強靭なメンタリティーを誇る大谷の〝巨大化イリュージョン〟は記録と勝利という形で、さらに実体を増していく。











