【テニス】31日開幕「全米OP」 何と会場は〝コロナ公園〟! 一時は感染者の臨時病院だった

2020年08月06日 11時50分

開場のビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(ロイター)

 なんと皮肉なことか。新型コロナウイルス禍の中で開催に踏み切るテニスの4大大会「全米オープン」(31日開幕、ニューヨーク)のシングルス出場予定選手が発表になり、日本からは男女エースの錦織圭(30=日清食品)、大坂なおみ(22=同)ら計9人が名を連ねた。厳重な感染対策、無観客で行われる今大会は今後のテニス界の“試金石”となるが、現地関係者の間でひそかに話題を集めるのが会場がある公園の名前。しかもこれが開催への“原動力”にもなっているという。


 コロナの不安がぬぐえない中で、主催の全米テニス協会は開催の姿勢を崩さない。とはいえ、発表された出場選手の中に4大大会最多20勝のロジャー・フェデラー(38=スイス)、昨年覇者のラファエル・ナダル(34=スペイン)、女子世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(24=オーストラリア)らの名はなく、コロナ禍を敬遠する選手は多い。

 さらに今大会は無観客、予選なしという異例ずくめ。参加選手だけではなく、ボールパーソン、トレーナー、警備員なども最低限の人数だ。2001年から公式ストリンガー(ガット職人)を務める細谷理氏(50)は「本当なら今年で20回目でしたが、恐らく行けません」と渡米を見送る予定。ストリンガーチーム約半数の12~13人の現地在住者だけ、職務に当たるという。現地をよく知る同氏は「こういう時、米国はリスクより『どう前に進むか?』を考え、徹底してやる。国民性の違いでしょう。もし成功すれば、全仏オープン(9月27日開幕、パリ)を含め、今後のテニス界の指針になると思います」と大会の重要性を語った。

 実はもう一つ、妙な注目を集めているものがある。細谷氏は「会場がある公園の名前ですよ。ニューヨークの人たちは知っていますが、結構な話題になっていますよ」と事情を明かす。 全米オープンの会場「ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター」があるニューヨーク郊外のクイーンズ区の公園名は「フラッシング・メドウズ・コロナ・パーク」である。大会会場が一時、コロナ感染者の臨時病院になったことはよく知られているが、なんと“名実ともに”因縁の場所だったのだ。

 ただでさえコロナで恐怖なのに、名前まで“コロナ公園”とは…。日本人的発想では「縁起が悪い」となるが、どうやらニューヨーカーは違うようだ。細谷氏によれば「コロナ・パークだからこそ開催しないとダメ!」「コロナ・パークでコロナに打ち勝つんだ!」と前向きな意見が大多数だというから驚く。

「こういうのを利用し、大々的に盛り上げるのが米国。復活劇にするのが本当にうまい国ですからね」(細谷氏)

 いろいろな意味で目が離せない2週間。テニス界の運命やいかに――。