競泳男子で東京五輪代表の佐藤翔馬(20=東京SC)が20日、都内で公開練習を行った。本番で金メダルが期待される200メートル平泳ぎは日本選手権で日本新記録(2分6秒40)を出したが「優勝には2分5秒台が必要」とさらなるタイム向上に意欲満々。〝北島2世〟が目指す3か月後の姿とは――。

 日本選手権後の代表合宿を終えた佐藤は「決まった瞬間から数日間は気持ちが上がっていたんですけど、数日たって少しずつ落ち着き始めたかなという感じです」と率直な感想を語った。今回は200メートル平泳ぎ、400メートルメドレーリレーの出場権を獲得。特に前者では頂点に立つ可能性を秘めており、本人も「目指すのは金メダル」と気合十分だ。

 佐藤は日本選手権で日本記録を更新する2分6秒40をマーク。海外のライバルに対して「少しはプレッシャーを与えられたのかな」と手応えを口にした。一方、同種目の世界記録はロシアのチュプコフが持つ2分6秒12であることから「(五輪で)優勝を目指すなら2分5秒台は必要だと思いますし、今のタイムから上げるにはまだまだ頑張らなきゃいけないなと」と言葉に力を込める。

 では、佐藤が描く金メダルのレースプランとはどのようなものなのか。日本選手権の決勝レースでは、ラスト50メートルで33秒要した。本人は「そこは32秒台に持っていきたい」としつつ「僕のプランは150メートルで突き放すということなので、そこまでのタイムを上げていきたい」と明かす。

 昨年1月の北島康介杯で出した2分7秒58からタイムを1秒以上伸ばしてきた佐藤だが「ここから上げるのは本当に難しい」と自己分析する。しかし、西条健二コーチは不可能とは考えていない。他の選手が長野・東御市で高地トレーニングを実施している間も佐藤は平地で練習を続けてきたことを挙げ「そこは残しておいたということ」と、これまで以上の強化が期待できるというわけだ。

 所属先の東京SCは五輪3大会メダリストの北島康介氏(38)と〝同門〟。佐藤は「康介さんは金を取っている。僕もしっかり取りたい」と意気込む。〝北島2世〟が大舞台でどんな泳ぎを見せてくれるか楽しみだ。