角界で“インフル騒動”が勃発だ。日本相撲協会の理事会(23日)で、11日に佐賀市内で行われた冬巡業で十両貴源治(22=千賀ノ浦)がインフルエンザに感染した状態で取組に出場していたことが報告された。貴源治は巡業当日の午前に体調不良を訴えて佐賀市内の病院で診察を受け、感染が判明した。

 貴源治は診断結果を相撲協会に報告したが、巡業の午後の取組に出ることを指示されたという。広報部長の芝田山親方(57=元横綱大乃国)は「相撲を取らせてしまったことは間違いだった。貴源治が病院に行って(巡業会場に)帰ってきたのが取組の寸前だった。そこで対応が取れなかったのは落ち度」と説明。協会の対応に非があったことを認めた。

 理事会では巡業参加者の感染が判明した時点で、隔離や帰京させる措置を徹底することを改めて確認した。今年の冬巡業ではインフルエンザが大流行。すでに11日の段階で関取衆ら約30人が途中休場する事態に見舞われていただけに、貴源治への対応は「大失態」と言われても仕方がない。危機管理に対する認識の甘さを露呈した格好だ。

 また東関親方(元幕内潮丸)の死去で師匠不在となった東関部屋所属の力士らは同じ高砂一門の八角理事長(56=元横綱北勝海)の一時預かりとすることも発表された。1月の初場所は東関部屋の所属として出場する。