日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で理事会を開き、付け人の力士に暴力を振るった十両貴ノ富士(22=千賀ノ浦)に自主引退を促すことを決議。また、暴行事件の概要が明らかになったが、その中身は信じられない行動の連続だった。

 日本相撲協会によると、7月場所が始まる前ごろから新弟子らの物覚えが悪いとして、一人には「ニワトリ」とあだ名をつけ、新弟子が「はい」と返事をすると「はい、じゃない。コケと言え」と言い、「コケ」と返事をするように強要。8月31日の稽古総見後には、自分より先に部屋で風呂に入った付け人の行動に立腹し、右拳で1回殴打した。その際「先に風呂に入って『お先ごっつぁんです』もないのか」などと言ったという。

 双子の実弟の幕内貴源治(22)は同時期、同じ新弟子4人の振る舞いが悪かったことに対して罰を与えた。その際「腕立て伏せ、罰金、外出禁止のどれかを選べ」と迫り、腕立て伏せをさせた。7月場所中にはその中の一人に「自分は頭悪いです」と言わせ、スマートフォンで録画する動作をしていた。

 こうした2人の行動を師匠の千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)は抑止できなかったため、6か月間20%の減俸という重い処分が下された。