【ラグビー】ジョセフHCが課題山積の再スタート 「ONE TEAM」再現は!?

2020年01月30日 16時40分

 ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=50)が、課題山積みで再スタートを切った。W杯日本大会で日本を初の8強入りへと導いた名将は、さらにチームに磨きをかけて2023年W杯フランス大会での4強入りを目指すが、自らが望む手法で代表強化を進めていくのが困難な状況となっているという。果たして日本中を熱狂の渦に巻き込んだ「ONE TEAM」は再び実現できるのか――。

 先週再来日したジョセフHCは、26日の神戸製鋼―サントリー戦から今季のトップリーグ(TL)視察をスタートさせ、今後はW杯日本大会後初のテストマッチとなるウェールズ戦(6月、静岡)、イングランド戦2試合(7月、大分&神戸)に向けたTL行脚を続ける。

 29日には都内で会見に臨み、日本代表HCの続投について「日本が大好きで愛しているということ。日本の人たちの考え方がすごく好き。それに2023年に向けての強化、発展を自分はやるべきと感じたという理由もある」と説明した。強化実現のためには「ONE TEAM」を発展させる意向。「『ONE TEAM』になるためにいろいろな要素がある。互いのためにプレーしたり、プレッシャーの中でもリーダー陣が自信をもって判断できることなどだが、この4年間でそれをより良いものにしていきたい」と力を込めた。

 この方針を遂行するにはやはり時間が必要。そのために指揮官は、就任当初の16年などでTL期間中に代表戦が組まれて十分な準備期間を得られなかった経験から、国内リーグの日程調整が必要だと主張した。「TLと代表活動の日程が重ならないことが大事。そう考えると今年のTLは1~5月。それが終われば代表選手は(6月の)テストマッチに集中できる」。しかし今季は昨年のW杯開催による例外的日程。21年秋にはTLに代わる新リーグがスタート予定で、テストマッチと全く重ならない国内リーグ日程を組むのは今のところ不可能と言っていい。

 さらに指揮官は日本代表FB松島幸太朗(26=サントリー)のフランス1部クレルモン移籍など、代表クラスの海外挑戦はメリットばかりとは考えていない。「昨季の成功が様々なプラス要素をもたらしたが、課題もある。その一つが、選手の海外志向が芽生え、(海外チームからの)需要も高まっていることだ」と語った。「適切な選手が適切なタイミングで違う文化、違うコーチングのもとでスキルを磨いていくことは素晴らしいこと」という利点を挙げつつも、海外チーム所属となれば、国内組に比べて、代表合宿などに呼べるタイミングや期間が限られるデメリットを感じているわけだ。

 そういう意味でスーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズが今季限りで消滅するのはマイナスだ。HC自身が「心配なのはサンウルブズがなくなること」と話すほど。日本にいながら強度の高い試合を経験できる上に、ジョセフHCの裁量でどの選手に経験を積ませるか選択できたからだ。

 難題と直面している指揮官は今後、限られた条件で最大限の効果を求めていくのか。それとも制度改革にまで踏み込むのか。W杯4強入りが目標となる以上、日本ラグビー界を挙げた議論が求められそうだ。