フィギュアスケート男子の元世界王者で2014年ソチ&18年平昌五輪金メダル・羽生結弦(27=ANA)の〝名言〟が大きな反響を呼んでいる。

 2月の北京五輪では、かねて強い意欲を示してきたクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦。惜しくも着氷とはならず、順位も4位に終わった。しかし、最終日(20日)のエキシビション後には「人生って報われることが全てじゃないんだなと。報われなかった今は今で幸せだな」などとコメント。涙ながらに発した言葉は多くの人々の心を打った。

 そんな中、羽生の発言が本明寺(東京・墨田区)の「お寺の掲示板」に掲載され、ネット上で注目を集めた。本田彰一住職は取材に「人は生きている限り全てが報われないなっていうところは誰しもが思っていることでそれは当たり前のことですが、そのことを的確に表現されていたと思います」と一連の経緯を明かした。

 長年世界の第一線で活躍してきた羽生だからこそ、達することのできた領域。「いろんな後悔や未来に対しての不安などももちろんある中で、幸せだなっていうところに着地したのかなと思いました。4回転半はうまく着氷できませんでしたが、生き方としては今ここに着地をされたのかなと感銘を受けましたので、僕の(気持ちの)受け取りの中で書かせていただきました」と神妙に語った。

 羽生の思いが凝縮されたひと言はやはり別格だった。