北京五輪のフィギュアスケート女子でドーピング問題に揺れていたロシアオリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ(15)はスポーツ仲裁裁判所(CAS)の決定によって個人種目への出場が認められることになったが、団体戦金メダルのはく奪や今後の国際大会への出場停止の可能性は依然として残り、騒動は泥沼化しそうだ。

 CASは15日にショートプログラム(SP)が予定される個人種目への出場は認めたものの、今回の決定に関しては「CASは、暫定的かどうかに関する狭義の問題を決定するように要請された。(資格の)一時停止はアスリートに課されるべきだ。この訴訟のメリットを決定するよう求められたわけではない。また、フィギュアスケート団体戦の結果に関連する法的影響を調べることもできない。このような問題は、他の手続きで検討される」との見解を示した。

 団体戦の金メダルの扱いについては別問題で、はく奪される可能性があるというわけだ。

 また「ニューヨーク・タイムズ」は「ワリエワの将来の適格性をめぐる法廷闘争は、少なくとも数週間続く可能性がある」と指摘。北京五輪の出場こそOKだが、世界選手権や次回2026年ミラノ・コルティナ五輪など今後の国際大会の出場は禁止になることも十分ありえる。

 ワリエワを巡る大騒動は北京五輪では〝グレー決着〟となったが、ドーピングに対する世界の疑惑の目は強まっておりまだまだ波紋は続きそうだ。