昨夏の東京パラリンピック陸上女子100メートル(T54)で6位入賞を果たし、3月の北京パラリンピック女子アルペンスキーで3冠に輝いた村岡桃佳(25=トヨタ自動車)の〝飽くなき向上心〟は健在だ。

 11日に自身のツイッターで夏冬二刀流を継続していくことを明かしていた村岡は、14日にオンラインで取材に応じ「どうしようかなと考える中で、陸上競技への挑戦をまた一からスタートしたいという気持ちが浮かんできた。スキーとの兼ね合いもあるが、新たな取り組みとしてまた再スタートを切りたいと思った」と決断に至った経緯を語った。

 近年、各競技で二刀流選手が増加。2月の北京五輪では、スケートボード男子でも東京五輪に出場した平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)がスノーボードのハーフパイプで金メダルに輝いた。テレビで雄姿を見たという村岡は「存在自体がすごく励みになる。尊敬する部分もあるが、本当に負けられないなという気持ちもある」と刺激を受けた様子。その上で「自分が新たに挑戦をする中での支えになるので、存在はすごく大きい。自分自身も誰かに刺激を与えられるような存在になりたい」と決意を新たにした。

 今後は陸上で2024年パリ大会とスキーで26年ミラノ・コルティナダンペッツォ大会を目指す。陸上はこれまで通り岡山を拠点としながら「短距離の100メートルにフォーカスしていきたい」。スキーについても「4歳から車いすで生活をしていてスキー板を履いたことはないので、立って滑るスキーの感覚を知りたい」と話すなど、貪欲にレベルアップを目指す姿はこれまで通りと変わらない。

 自ら決めた二刀流人生の〝第二章〟。ここからは前に進むのみだ。