北京五輪の開会式で韓国の伝統衣装が「中国の少数民族」として登場したことが物議をかもしている。これに韓国側が猛批判、国際問題に発展する可能性も出てきた。

 4日に行われた開会式では、中国で少数民族とされる56の民族、部族の代表が参加する内容が盛り込まれた。その中の一人に、韓国の伝統衣装である白のチョゴリを着用した女性が登場してSNSなどを中心に多くの指摘が寄せられた。

 この問題に韓国政界が敏感に反応。韓国紙「アジア経済」によると、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)大統領候補は5日に「一部の懸念に中国政府は答えなければならないだろう。容認できないという私たちの考えを伝えた」と糾弾。「文化を貪ってはいけない。中国政府が過去の歴史で大韓民国国民の自尊心を毀損した事例がある」と厳しく非難した。

 さらに「マネートゥデー」は、国民の力の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領候補も中国政府を批判したと報道。「高句麗と渤海は大韓民国の誇りだ」と衣装の起源となっている地域を指しながら言及したという。

 中国が韓国を〝属国〟として扱ったとも受け取られかねない演出だけに、韓国側の怒りは頂点に達している。韓国の次期大統領候補2人が揃って今回の問題を追及する姿勢を見せたことから、今後は両国間の国際問題に発展してしまいそうだ。