米イェール大学のイェール・グリフィン予防研究センターを設立し、2019年まで所長を務めた予防医学の大御所デビッド・カッツ博士が27日、「米ヤフー ファイナンス」のインタビューで東京五輪の危険性を指摘した。

 カッツ博士は新型コロナウイルス感染拡大下での東京五輪開催について「公衆衛生の観点から、日本で何が起こっているかを考えると、私にはスーパースプレッダーイベントのように見える」と発言した。

 日本で感染拡大が止まらず、ワクチン接種率がわずか2%程度であることを踏まえ「免疫力のない脆弱な人々が世界中からやって来て、ウイルスを獲得し戻れば、世界の多くの地域で再びアウトブレークが発生する可能性がある」と、五輪開催を機に世界的な感染爆発が起こると警告した。

 カッツ博士は「私の心は選手に向けられている」と選手の気持ちを推し量ったが、専門家として現状を冷静に分析。

「ウイルスがかなり高いレベルで広がり、免疫獲得率が低い地域で大規模イベントを開くことは、公衆衛生の観点からは悪い考え。非常に危険な状況なのは確か」と、コロナを抑えきれていない日本で開催する危険性を再度強調した。

 IOCで最古参のディック・パウンド委員(79)は「アルマゲドンでも起きない限り開催する」と発言。ひんしゅくを買っているが、本当にアルマゲドンを引き起こしかねない状況かもしれない。