来夏に延期した東京五輪・パラリンピックに向けたシンポジウムが18日、全国の地方議会議員および地方自治体職員等を対象に開催された。

 全国で新型コロナウイルス感染者が増大、医療現場がひっ迫する現状を鑑み、今回はオンラインで実施。東京都の小池百合子知事(68)、東京大会組織委員会の小谷実可子スポーツディレクター(54)らが参加。日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)のビデオメッセージなどが上映された。

 小池知事は冒頭のあいさつで「コロナ禍の闘いは今なお続いております。こうした困難な状況だからこそ、人々に夢と希望を与える五輪・パラリンピックの開催は、必ずや希望のあかりとなることでありましょう」と話した。

 そして、またもや1920年のアントワープ五輪(ベルギー)を引き合いに出した。同五輪は今から100年前、歴史的パンデミックと言われたスペイン風邪の大流行後に開かれている。

「第1次世界大戦で多くの戦死者を出し、その後、当時の世界人口17億人のうち約5000万から1億人の方が亡くなったのが、いわゆるスペイン風邪。その直後に開かれたアントワープ大会こそ、危機の後の連帯と復興の象徴となったわけです」

 小池都知事は先月に行われた国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)との面会時、そして今月の国、組織委との三者会談でも同様のたとえを持ち出し、開催をアピールしてきた。

 あいさつの最後は「東京2020大会もまさに人類が一丸となってコロナに打ち勝った証しとして」と、改めて開催を主張。「スポーツの持つ力を通じて日本中を元気していきたい。全国の皆様方のお力添えをよろしくお願い申し上げます」と国民に呼びかけた。