新紙幣に違和感と不安「安っぽい、ダサい」不評続々

2019年04月11日 08時00分

 政府が9日に発表した新紙幣の図柄は、ある部分に批判が集中した。新しく肖像画となる人物は1万円札が「日本資本主義の父」渋沢栄一、5千円札が津田塾大の創始者・津田梅子、千円札が近代医学の基礎を築いた北里柴三郎。3偉人の起用には、ゆかりの地や関係者から喜びの声が上がったが、半面「なんだかなぁ~」と、不評の声も少なくない。いったいどこが気に入らないのか、追跡してみると意外なポイントが…。詐欺利用も懸念される新紙幣をめぐる大騒動を緊急特集――。

 発表された新紙幣のデザインは、違和感も生じさせた。外国人にも分かりやすいように洋数字を漢数字よりも大きくしたが、目を引いたのは洋数字の大きさと位置、フォントだった。

 紙幣マニアいわく「パッと見て飛び込んでくる洋数字がデカすぎ。フォントも外国紙幣みたいにゴシック体で安っぽく、従来の重厚感がなくなった」。確かに現在の1万円札と比べると「10000」の洋数字は安っぽい。9日のツイッターのトレンドワードでも「数字のフォント」が話題になり「ダサい」「品位がない」「おもちゃの紙幣みたい」など散々だ。

 しかも、数字は肖像画の左側の目立つ位置に置かれたから、余計に違和感が増幅される。現行紙幣はこの位置に和数字で金額が示され、洋数字は左上の隅に小さく記されている。これが逆転した形になった。

 国民多数の不評を呼べば、変更されることはあるのか。

「財務省から発表されたのはあくまでイメージ。今後2年半かけて詳細なデザインを固めてサンプル紙幣を作成するとされており、フォントがあまりに不評なら、その部分だけ変更される可能性はある。ただ、目的は見やすいように大きくすることですから、全体のデザイン、大きさはこのままでは?」(政府関係者)

 実際に流通するのは5年後だが、いろいろな詐欺も起きそうだ。

 高齢者を狙って「旧紙幣は使えなくなりますので回収して、新紙幣に交換します」などという旧紙幣回収詐欺が予想される。すでに財務省は「新紙幣発行後も現行の紙幣は使えます」と今から注意を呼びかけている。

 近年は「民事訴訟管理センター」「法務省管轄支局」など、政府の架空の部署から、裁判をにおわせた督促ハガキが郵送される詐欺が横行している。

 詐欺研究家の野島茂朗氏は「法務省の架空のハガキは、コンビ二やATMに警察が警告文を貼ったりもしていますが、いまだに知人や知人の親がハガキにおびえて弁護士に相談するという話をよく聞きます。新紙幣発行にあわせ、今度は『旧紙幣回収センター』などのニセの政府部署から、所持する紙幣を全て回収するように持ちかける詐欺も出てくるでしょう」と語る。

 さらに複雑な詐欺として、仮想通貨と連動した新紙幣交換詐欺も出てきそうだとも。

「仮想通貨に投資したら良い番号の新紙幣と交換できるとか、交換レートが上がるので仮想通貨に投資したら新紙幣を3割増しで入手できるとか。お得な感じがするものがあれば、他人に相談せずに盲信してしまう人が少なくありません。また、高齢者だからこそ、1946年に行われた預金封鎖は苦い経験でしょう。新貨幣で預金が一斉に引き出されるのを危惧した政府や金融機関をかたって『預金封鎖を防ぐために仮想通貨に預金を替えておきましょう』という詐欺も考えられます。もちろん、その仮想通貨自体が架空の詐欺なわけです」(野島氏)

 過去に詐欺に遭った人を狙う新紙幣詐欺も出てきそうだ。

 野島氏は「今まで架空請求詐欺の被害に遭われた方には『新紙幣でリベンジし、新紙幣で取り戻そう』という詐欺話が持ちかけられるでしょう。詐欺被害者の情報は複数の詐欺グループに共有されていますから」と注意を呼び掛けた。

 もっとスケールの大きな詐欺も考えられる。こんな手口だ。

「渋沢栄一財団、津田梅子財団、北里財団など、新紙幣の肖像となる3偉人に関連した財団をかたり『新紙幣記念金貨に名前を入れます』という詐欺がありそうです。インターネットで情報を得ることができない高齢者らは、架空の記念や架空の規制などを電話や封書、ハガキで告げられたらうのみにしてしまうでしょうね」と詐欺の事情通は指摘している。