世紀の大発見か…ブドウの種に抗がん効果

2015年11月17日 07時00分

「フィジカル」の永尾司氏(左)と九州大学・小名俊博准教授
「フィジカル」の永尾司氏(左)と九州大学・小名俊博准教授

 夏から秋にかけて旬を迎える果物ブドウから世紀の大発見か――。発芽する直前のブドウの種から抽出した成分であるポリフェノールが、従来の抗がん剤と同等の薬効があることが分かった。がん研究を約17年続ける九州大学の小名俊博准教授(52)らが本紙取材に明かした。小名氏は10月に行われた「第74回日本癌学会」でその成果を初めて発表。日本のみならず世界の医療を一新しかねない、夢あふれる“抗がん剤の救世主候補”とは――。

 今秋は芸能界で、がんに関するニュースが飛び交った。

 9月に女優の川島なお美さん(享年54)が胆管がんのため死去。同月には元プロレスラーでタレントの北斗晶(48)が乳がんを公表した。元「おニャン子クラブ」の生稲晃子(47)も乳がんを患っていることが今月、明らかになった。

 厚生労働省によれば、がんは1981年から死因第1位。現在では国民の2人に1人が罹患し、3人に1人(年間約40万人)が亡くなっている。

“国民病”に改めて関心が集まる中、本紙は「ブドウを食べるとき、誰もが捨てていた、あの種の成分に抗がん作用があった!」という夢物語のような仰天情報をキャッチ。がん研究の最先端を走る九州大学の“抗がん判定博士”こと小名氏と、滋賀・長浜市の健康食品開発会社「フィジカル」の永尾司代表取締役(56)が共同で突き止めた。

 きっかけは、アンチエイジングの研究をしてきた永尾氏が健康に良いとされるブドウを改めて調べたこと。2012年に永尾氏が慶応大学医学部名誉教授に実験を依頼すると、驚くべき結果が出た。ブドウの種が発芽する直前のポリフェノールを含む成分を水で抽出し、皮膚がんのがん細胞に添加すると、がん細胞の抑制が認められたのだ。ただ、この実験は人の生体を模倣したものではなかった。

 そこで小名氏は、文部科学省の研究プロジェクトの過程で自身が開発した抗がん剤効果判定装置「HP―SPR―3D」(売価6000万円)で昨年、精密に調べた。

 小名氏は「レーザー光を利用したこの装置では、人の生体を模倣した実験が可能。ミトコンドリアを速く、かつ正確に測定できます。ミトコンドリアの活性の下がり具合、平たく言えば元気がなくなっているかを見れば、抗がん剤の効き目がわかります」と話す。

 小名氏はこの装置を使い、すい臓がん患者の細胞に、発芽直前の種子成分を人間の口から摂取する形で添加した。

「その結果、一般的な抗がん剤であるドキソルビシン、パクリタキセルの薬効に匹敵し、かつ通常の服用では副作用がないことが証明されました。この結果は、先月の日本癌学会で初めて発表しました」

 ついに、人体により近い条件での実験で薬効が認められたのだ。ブドウの品種が何でもいいのか気になるが「そういうわけではありません。企業秘密ですが、効果の高い品種を選んでいます」と解説。ブドウの種をそのまま飲み込んだ場合の効果は「ありません。(便が硬くなり)お尻が痛くなるだけです」とジョークを交えてツッコんだ。

 永尾氏は6月に特許を取得。「一人でも多くのがん患者を助けたい」と力を込める。この種子抽出成分を「iGS4000(T.M)」と名づけ、製品化にこぎつけた。

 小名氏は「従来の注射する抗がん剤と違い、この成分は口から摂取できて手軽。言わば“食べる抗がん剤”です。新しい抗がん剤開発のスタートができたと思います」と胸を張った。

 両氏は19日、長浜市内で会見を開き、さらに詳細を説明する。注目が集まりそうだ。

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