岸田文雄首相(64)は14日に行った会見で遊説中に凶弾に倒れて亡くなった安倍晋三元首相の「国葬」を今秋に行う方針を明らかにした。

 会場は東京・千代田区北の丸の日本武道館が検討されている。岸田首相は安倍元首相に哀悼の意を示した上で「憲政史上最長の8年8か月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力をもって総理大臣の重責を担い、東日本大震災からの復興や日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開などさまざまな分野で実績を残すなど、その功績はすばらしいものがある」とした。

「国葬」は国の儀式として行われる。戦後、総理大臣経験者の「国葬」は自民党・麻生太郎副総裁の祖父にあたる吉田茂元首相以来となる。

「国葬は法律の規定がありません。安倍元首相の国葬は、全額を国費で支出することが検討されています」(政府関係者)

 野党の反応はどうか。立憲民主党の泉健太代表は「国葬については、その性質から厳粛に行うものであり、元総理のご冥福を祈りつつ、静かに見守りたい」とコメント。

 安倍氏と近い関係だった日本維新の会・松井一郎代表は「反対ではないが、亡くなった安倍元総理大臣と家族が望んでいることなのかと懸念を持っている。昭恵夫人を大切に守ってきた安倍元総理大臣は、夫人が批判の矢面にさらされるのは望んでいないのではないか。政府には遺族の負担についても考えてほしい」と話している。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「国の内外から広く哀悼の意が寄せられており、国葬とすることについては理解できる」とした。