皇居ランナーに東京・千代田区がマスク着用呼び掛け 専門家が指摘する危険性とは

2020年05月02日 16時00分

 新型コロナウイルスの感染予防でランニングなどスポーツ時にマスクをする人が増えているが、スポーツ医療の専門家からは危険性も指摘されている。

 外出してのランニングやジョギングは、息抜きや運動不足解消に役立つとあって政府も認める。“ランナーの聖地”と呼ばれる1周約5キロの皇居外周がある東京・千代田区は公式SNSを通じ「新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、皇居ランをされる際は、マスクの着用や充分な間隔を空ける等、周囲への配慮をお願いします」と呼び掛けた。また、ノーベル生理学・医学賞受賞者で自らもランナーである京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授(57)はユーチューブの動画で、布などで口を覆ってのジョギングを推奨して話題になった。

 ただ、これからの時期は注意が必要だ。西大宮病院院長でJ1鹿島のチームドクターを務める関純医師は「感染症専門の方の立場からすれば、マスク着用が予防につながるというのはわかる」と前置きした上で「最近ではマスクしてジョギングしていた人が熱中症になってしまった例が数多く報告されている。そもそもジョギングなどのスポーツはマスクをすることを前提としていない」。

 ウイルス感染を警戒して熱中症になれば本末転倒だが、ランニングだけではなくサッカー界でもマスク着用の動きがある。英メディア「スカイスポーツ」は、イングランド・プレミアリーグが各クラブの練習再開時(18日予定)からマスク着用を検討中と報じた。関医師は「マスクをしなければいけない状況でのスポーツは控えたほうがいいのでは」。通常の呼吸ができないため、必要以上に心肺に負担がかかる問題もあるという。

 感染リスクがなくなった時点でのスポーツ再開が望ましいのは間違いないが、終息の見通しが立っていない状況では、マスクを着用するにしても炎天下や過度の運動は避けるなど神経を使うべきということだろう。