日本代表MF三笘薫(25=サンジロワーズ)の活躍ぶりに、なぜか不安の声が上がっている。

 ここまで途中出場が多かった中、10日の国際親善試合ガーナ戦でスタメン入り。1―1の前半アディショナルタイムに、左サイドから低い弾道で蹴り込んだクロスがそのままゴールへ吸い込まれ、勝ち越しに成功した。
 さらに後半28分には「数的優位をつくろうと思っていた」と得意のドリブルで左サイドを抜け出し、マイナスにラストパスを供給。MF久保建英(マジョルカ)のA代表初得点をお膳立てした。

 1ゴール1アシストの躍動ぶりにも「ゴールにつながるクロスを試合前から考えていた。逆サイドから(堂安)律(PSVアイントホーフェン)や(上田)綺世(鹿島)が飛び込んでくれたので、ああいった選手のおかげでもある」と控えめに振り返った。

 変幻自在のドリブルでジョーカーとして勝利に貢献してきた三笘が、先発でも実力を発揮。森保ジャパンにとってプラスとなる一方で、三笘をよく知る関係者は1次リーグで強豪のドイツ、スペインと同組となったW杯を踏まえ、懸念を指摘した。

「この2か国と戦う上で三笘の存在は大事になってくる。これまでは対戦相手にあまり知られていないから、活躍できた面もある。6月の代表戦で活躍して名前を世界に知られてしまうと、マークされてしまう可能性もある」

 とはいえ、W杯メンバー入りのサバイバルが続く中で出し惜しみをするわけにはいかない。14日のチュニジア戦(吹田)もアピールが求められる立場。本人も「今日のようなミスを少なくして、しっかり勝ちたい」と勝利を見据える。

 たとえマークされても、それを上回る進化を遂げることができるか。