新人ガールズケイリン選手にスポットを当てる「フレッシュガールズケイリン選手紹介」。今回は7月に116回生としてデビューしたばかりの坂口聖香(23=京都・116期)に注目。かつてシクロクロス界をけん引した実力者は妹の楓華(112期)を追って輪界入り。京都・向日町バンクの秘蔵っ子に話を聞いた。

 自転車競技をしていた父の影響で小さいころから自転車が身近にあった少女時代。小学5年生の時にシクロクロスと出会い、坂口の競技人生が始まった。

 シクロクロスといえば競輪界では豊岡英子(大阪・114期)が第一人者として知られるが、日本ではその名はまだ一般的には浸透していない。走破する力はもちろん、ハンドルさばきなど高度な技術を駆使する繊細なスポーツだという。「マウンテンバイクとロードが合体したような自転車で、障害物のある舗装されていない道をレース形式で走ります。聞かれたら陸上でいうクロスカントリーみたいなもの、と説明しています」

 坂口は約11年間シクロクロスに挑み、15、16年に全日本選手権を連覇するなど業界のトップ選手として活躍した。だが、転機は突然訪れる。大会中に大きなけがを負い、長い間欠場を余儀なくされた。そのころ、妹の楓華がガールズケイリンでデビューしており、その姿を見ているうちに進むべき道を決めた。

「親が妹が自立して稼いでいる姿をいい感じで見ていて。私は競技をしていたのでお金がかかるから真逆ですよね(笑い)。私も自立したいと思ったし、将来を考えるきっかけになりました」

 競輪学校(現養成所)の試験は1回目で合格。プロへの道を順調に歩んだが、これまでとの決定的な違いにいまだに悩んでいる。「持久力から短距離系への移動、あと瞬発力が圧倒的にない。実戦でもっとも大事なところです」

 今はホームバンクの向日町競輪場へせっせと足を運び課題克服に取り組む毎日。バンクには生きた教材ともいえる歴戦のつわものがたくさんおり、大きな刺激を受けている。

「皆さん声を掛けてくれたり、練習に参加させてもらったり。厳しいと思われるかもしれないですが、向日町で練習することは絶対に自分の力になる。緊張しますけど(笑い)」

 競走に取り組む姿勢や勝負根性、レースセンスはアマチュア時代の戦歴が証明している。これまでの経験を糧とし、焦らずゆっくりとガールズケイリンへ順応していく。

 ――妹との普段の関係は

 坂口 実家で一緒に住んでいますけど、あまりレースの話はしませんね。普通の姉妹ですよ(笑い)。ただ小さいころは(大会の結果などで)比べられたりしただろうし妹はいい気がしなかったかも。

 ――趣味や休日の過ごし方は

 坂口 家族でキャンプへ行ったり、妹と一緒に買い物に出かけたり。あとは犬が2匹いるので散歩に連れて行くのが日課です。

 ――自己アピールを

 坂口 力不足なので何が足りないかを一戦ごとに考えて走ります。長い目で見てください。

☆さかぐち・きよか=1996年2月5日生まれ。京都府出身の116期。脚質は地脚タイプ。7月8日奈良でデビューした。