現役時代は屈指のファイターとして大暴れした元オートレーサー田代祐一さんが引退して3年が経過した。第2の人生として選んだのは自称「最強のイベント屋」。たこ焼き屋・蛸一のオーナーとして移動販売車に乗りながら、各地でギャンブルファンと触れ合う日々を満喫している。

 SG戦線で主役を張っていた当時と今も口癖は変わらない。

「とにかく絶対、負けたくねえんだよ。何でも一番目立たないと気が済まないからね、オレは」

 移動販売車の蛸一は、当初は全国各地の公営ギャンブル場をメーンにしていたが、軌道に乗り始めた今はフランチャイズ展開をして各地のイベント会場にも出店するようになった。

「この仕事をするようになって一番感じたのは、オレにもこんなファンがいたんだってことだね(笑い)。オートに限らずいろんなギャンブルファンと行き合えるのが一番の幸せ。ただ、他のイベント会場ではほとんどの人がオレのことを知らないし、そこでどれだけ勝負できるかが大事だね」

 今年で9回目を迎え、4年に1度開かれている食博覧会(現在開催中)では高崎市から依頼され群馬代表として勝負している。高崎豚を使用したスターポークと縁起だるまポテト(ともに600円)が自信作だ。

「群馬を代表するからには、とことんこだわって作ってるよ。売り上げも大事だけど、どこに店を出すときでも、どれだけ目立つかにこだわってるからね」と豪語する。「商売もレースもとにかく勝負事は勝たなきゃいけねえんだ」と語る姿は現役時代と何ら変わりはない。

“レジェンド”は現在のオート界の動向をこう見ている。「今はホントに面白い。高橋貢をしのぐエリートたちが牙をむき出しに争ってる姿がいい。その結果、青山周平も鈴木圭一郎もSGを取った。ただね、圭一郎は早く取り過ぎた気もするんだ。もうちょっと苦労した方が良かったんじゃないかな、と。それと周平には“もっと勉強しろ”と言いたいね。逃げて勝てばいいってもんじゃない。オートの魅力は抜いてナンボ。その辺をしっかり考えて走れば変わってくると思うよ」とエールを送る。

 スーパースター高橋に対する評価は今も揺るがない。「ここ数年はいろいろな巡り合わせがズレているだけで、またSGを勝つ時がきてもおかしくない。何より仕事に対する姿勢や情熱は人一倍だからね。あのコの生き方は常に正しい。強くなりたかったらミツグを見本にすればいい。オレはずっと見続けてきたからこそ言えるんだ。まだ終わっちゃいないよ」

☆たしろ・ゆういち=1959年2月3日生まれの58歳。千葉県出身。SG3V、GI・10Vの実績を残して2014年に37年間にわたる現役生活に別れを告げた。身長161センチ、68キロ。血液型=A。