新日本プロレス21日愛知大会で「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」公式戦が行われ、IWGPジュニアヘビー級王者エル・デスペラードと高橋ヒロム(31)の優勝候補対決は30分フルタイムドローに終わった。

 昨年大会の優勝決定戦以来となるライバル対決は、互いに一歩も譲らない意地の張り合いとなった。壮絶な打撃合戦で幕を開けた天王山は、25分過ぎからさらに加速。デスペラードはヌメロ・ドス(変型マフラーホールド)を、ヒロムはD(変型三角絞め)を狙うがギブアップまでは奪えない。ヒロムはトラースキックからラリアートを決めるが、追撃を狙って走り込んできたところでデスペラードはカウンターのロコ・モノを決める。

 残り時間1分でデスペラードはピンチェ・ロコを狙うも回避されて試合を決めることができない。ヒロムもビクトリーロイヤルからTIME BOMBⅡの体勢に入るが、デスペラードはエル・エス・クレロで切り返す。この瞬間に30分時間切れ引き分けのゴングが鳴らされた。

「太陽と月」に例えられる宿命のライバルは勝ち点1を分け合うと、優勝決定戦(12月15日、両国)での再会を約束しリングをあとにした。デスペラードは「勝ちきれねぇな、クソッ…。これで、4つやって、1勝2敗1分。どの口が『すべてがメイン』とか、チャンピオンだとか…自分にビックリだ」と自嘲しながらも「申し訳ないけどな、楽しいわ」と振り返った。

 その一方で「2人でギャーギャーギャーギャー言ったって、なんの景色も変わんねぇんだよ! 何言われようが、大口叩いてくれよ! ワトでともいいよ! YOHでもいいよ! なあ! 楽しいんだぜ、プロレスはよ。お前ら楽しんでるか? ヒロム、待っててくれよ。俺が(決勝)行って、今年は俺が優勝するよ」と2強時代に突入しかけている新日本ジュニアに警鐘も鳴らした。

 一方のヒロムも「変わったな、デスペラード! ジュニアに対する思いだとか、思いっきり世間に、会社にぶつけるようになったな! だから面白ぇんだ! だから今のお前は輝いてんだ! だからチャンピオンなんだ! 素晴らしい!」とライバルを称賛。

「1・4、1・5、オカダ? 鷹木? オスプレイ? メインイベント? 偽物のベルト? ノアと対抗戦? そんなもんな、関係ねえんだよ。俺たちはBOSJしか見えてない。そしてその先の、ジュニアを盛り上げることしか見えてねぇんだ! このBOSJ、すげぇ! メチャクチャ盛り上げて、優勝してやる! そして東京ドームのメインイベントに上がるのは、この俺だ」と、ジュニアの祭典への熱い思いを明かしていた。