ヘンリー王子一家が英国に帰国した場合、警察による警護を私費で支払うと申し出たにもかかわらず、英国政府が拒否したことに対して王子側が撤回を求めた裁判の予備審問が18日、ロンドンの高等法院で始まった。

 AP通信などによると、ヘンリー王子の弁護団は、現在は米カリフォルニア州で暮らす一家が英国に帰国した際、警察の警護なしでは安全上のリスクが大きいと主張した。

 英王室の上級王族は警察による警護が付くが、ヘンリー王子&メーガン妃は2020年に王室離脱し、その特権を失った。そのため、王子側は自腹で警察による警護費用を支払うことは認められるべきだと主張。一家が米国で契約している警護チームは海外では十分な権限がなく、また英情報機関との連携もないと説明した。

 ヘンリー王子の代理人は法廷で、「言うまでもなく、家族や友人たちに会うためや、心にかけた慈善活動を支援し続けるためにも帰国したいと願っている」とし、「さらに、彼にとってここは常に故郷だ」と述べた。

 また、ヘンリー王子は3月29日にロンドン・ウェストミンスター寺院で執り行われる祖父・故フィリップ王配1周忌の礼拝に参列することを希望していることも付け加えた。

 一方、英政府側の弁護人は、原告の主張は「議論の余地のないもので価値はない」と一蹴。「警察による個人の警護は私費でまかなう性質のものではない」とし、見当違いだと言い切った。